有村智恵が知った、米ツアーのプレーペース
米国女子ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」最終日。有村智恵はカリン・ショディン(スウェーデン)とビッキー・ハースト(アメリカ)と同組で、トップから2組目の午前8時36分に1番ティからスタート。前半6番まで進んだ時点で、有村は5番でボギー1つ。対して同伴の2人は、前半から荒れ模様だった。
ハーストは3連続ボギー発進と序盤からショットが曲がり、パットも不調。ショディンも2番と4番でボギーが先行。加えて、ボール地点で考える時間も少々長い。有村が「プレースピードが遅いな」と感じる通り、スイスイとホールを消化していくトップ組の背中は徐々に離れていき、ほどなく姿は見えなくなった。
6番を終えた時点で既に1ホール以上の開き。7番ティに向かう途中で、早くもマーシャルから進行の遅れによる警告が入った。ペースアップを図るため、ティショット後に走ってボール地点へと向かう有村。しかし「他の人たちは走っていないし、いいのかな?」と、急いでいる仕草を見せていたのは有村だけ。その後もペースは上がるどころか、後半に入り「3ホールくらいは空いていた」と苦笑。12番をプレー中、隣接する15番にトップ組の姿を確認したというから、目を疑ったことだろう。
しかし、誰もペナルティを課されることなくホールアウト。有村は言う。「私もプレーが遅い方で、日本ではどうしたら早く回れるか、いつも考えていた。でも、アメリカは私より遅い人も多いので、そこはストレスにならないですね」。
今回は極端なケースだが、日本ツアーを見慣れた側からすると、確かにプレーヤーたちの進行は全体的にゆっくりなものに感じる。有村にとっては、米ツアーを戦う上でマイナス要因にならなそうだが、ちょっぴり心配ものぞかせた。「この状態で日本に戻ると怖いかな・・・」。(シンガポール・セントーサ島/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。