2011年 ウェグマンズLPGAチャンピオンシップ

藍の“ロールモデル”、インクスターの存在感

2011/06/25 11:39
藍26歳、インクスター51歳。年は倍ほども離れているが、同じ土俵で戦う仲間だ。

宮里藍、ヤニ・ツェン、ジュリー・インクスターの組がこの日の最終ホールとなった9番をホールアウトすると、周囲を取り囲んだ観客席から歌声が聞こえてきた。「ハッピーバースデートゥーユー♪」それは、この日6月24日に51回目の誕生日を迎えたインクスターに贈られたものだった。

1983年にプロ転向して以来、90年に長女、94年に次女を産みながらもツアーを戦い続け、これまでに積み上げた優勝は31勝。メジャー通算7勝でキャリアグランドスラムも達成している偉大な選手だ。

自らの誕生日を祝うかのようにこの日の上がり2ホールを連続バーディで締め、38位タイで決勝ラウンドへと進出した。生涯獲得賞金は、アニカ・ソレンスタムカリー・ウェブロレーナ・オチョアに次いで第4位。50歳を超えた現在でも、第一線で戦い続けている。

インクスターのことを「ロールモデル」だと宮里は言う。「すごく人気があるし、見ていてかっこいい。選手やファンに対しての接し方がすごく勉強になりますね。」

2人目の子供を産む直前の93年から96年まで、インクスターは優勝から遠ざかる若干のスランプを経験している。ゴルフと家族のバランスをとるのに苦しんだことが原因というが、そんな時期も今は昔。見事に乗り越え、今がある。

宮里は続ける。「長く続けていく中で、上がったり下がったりもあると思うけど、その中でプレーし続けていくのは本当にすごいと思いますね」。今大会、見せ場を作ることなく予選で姿を消すことになった宮里。昨年と比べて今年は思うような成績が残せていないが、「長く続けていればこういうシーズンもある」と割り切ったように話す。心中穏やかでないことは察するに余りあるが、今週の予選ラウンドのペアリングがとても深い意味を含んでいるように感じられた。【NY州ピッツフォード/今岡涼太】

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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