2021年 全米女子オープン

ミッシェル・ウィと渋野日向子が語る記者会見と「メンタルヘルス」

2021/06/03 07:03
若い頃からスポットライトを浴びてきたミッシュエル・ウィ

◇海外女子メジャー◇全米女子オープン 事前情報(2日)◇オリンピッククラブ(レイクコース) (カリフォルニア州)◇6457yd(パー71)

テニスの大坂なおみが「全仏オープン」で試合後の記者会見を拒否し、その後の騒動を受けて大会を棄権する事態に発展した。この話題は同じ女子プロスポーツであるゴルフの「全米女子オープン」でも波紋を広げ、ミッシェル・ウィは会見で以下のようにコメントした。

「私も毎年、調子が悪いことをたくさん報道されてきたし、ときにはつらい時もあったけど、ここ数週間でなおみのやったことは、非常に勇気がいることだと思う。それと同時に私は、アスリートであるということはメディアに話すことも含むと理解している。なぜなら、大会は報道されて成立するものだから。

選手としては完全に理解できる。自分もメディアの前で話すことは不安だった。毎週、同じ質問だと分かっていたから。(記者の)皆さんは皆さんの仕事をしていて、それはとても感謝しているし、メディアによる女子スポーツ全般のカバーをとてもありがたく思っている。

選手としては当然、特に悪いラウンドをした後はタフになる。失敗を誰かに話すなんて、一番やりたくないことだから。ときに自由を奪われるような感じだけど、でもアスリートが自分たちのメンタルヘルスに責任を持ち、それを重んじるのは誇らしいこと。それについてもっと議論が必要だと思う」

渋野に関する報道も決して好意的なものだけではない

一方、日本人記者たちの質問に答えた渋野日向子は「すごく難しいけど、あんなに大きな反響を受けるとは正直思っていなかったと思う。で、棄権をされてしまった。取材拒否で心が楽になるのかと思いきや、様々な意見があると思うけど、(取材拒否を)してもしなくても心を痛めてしまう感じになった。何が正解かは分からないけど、半分くらいのアスリートは大坂なおみさんの気持ちがちょっとは分かるんじゃないかなと思うし、私もどっちかっていうと分かるかな。

結局は、私的には自分の問題だと思っているけど、調子が悪いときにそれを繰り返して言うのは、自分の中だけで整理したいものをまた口に出すのは、個人的にはつらい部分もあるけれど、それがアスリートとしての使命、プロとしての使命だと思うので、それをやらなきゃいけないというか、あって普通だと思うけど…。いやー難しい。人それぞれなので難しいです」

伝わらないことは「自分でも分かっている」

そう話す渋野自身、「全英女子オープン」優勝以降のここ3年弱で、良くも悪くも様々な形でメディアに取り上げられてきた。いや、(自戒を込めて)好き勝手に語られてきた。中には理不尽な批判や、本人の意図が違って伝えられることもあったはずだが、そんな時はどうしているのか?

「自分の言ったことを一語一句、世間のみんなに分かってもらうのは難しいので…。テレビインタビューなら映像で流れるけど、記事とかだとちょっと変わってきちゃう。思っていることを伝えるのは難しいけど、それを自分では分かっている。だから、分かってほしい家族とかには、自分の気持ちを伝えられる瞬間があるから、分かってもらえればいいと思う。自分の思っていることをみんなに伝えるのはすごく難しいと分かっている分、(何を言われても)私は何とも思わないです」

今では自身のYou Tubeチャンネルも持ち、「自分が思っていることを言えていて、それを発信してくれているのはうれしいです」と、第3者が書き手となる報道とは別に、自分の言葉を直接伝える新しい手段もある。

大坂が提起したアスリートの“メンタルヘルス”という問題。その本格的な議論はこれからだ。(カリフォルニア州サンフランシスコ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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