大山志保を絶好調に導いた“あること”とは?
「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」3日目を終え、単独首位から出た大山志保が「73」と1つ落としながらも、首位に1打差の通算3アンダー3位タイと優勝争いに踏みとどまった。2005年以来となる地元Vまであと一歩。「下は向かずに前だけを向いて、魂をこめてプレーしたい」と鼻息は荒い。
今シーズンは、ツアー半ばの6月下旬に股関節を痛めて2ヶ月半もツアー離脱を強いられ、順風満帆とはいえない1年だった。復帰戦となった9月「ゴルフ5レディス」を3位タイで終え、以後も上位争いを繰り返したが、かつての試合勘や技術が戻らず、内面は穏やかではなかったという。「ショットがこれまで見たことがないくらい酷かった。毎日のように試行錯誤していて、気持ちだけでプレーしていた」。
しかし、10月下旬の「マスターズGCレディース」からは、3試合連続でトップ5フィニッシュ。11位に終わった「大王製紙エリエールレディス」も初日首位でスタートを切っており、目覚ましいと言うほかないシーズン終盤のスパートで今大会の出場資格(賞金ランキング上位25名)を、賞金17位でクリアしてみせた。
3日目終了後につかまえて、好調の理由を聞くと、ちょっといたずらっぽい笑みを浮かべ、こちらの気を惹くような答えを返してきた。
「マスターズGCレディースの初日の17番ホールで、“あること”に1つだけ気づいて。そのお陰で飛距離が出るようになったし、パットも良くなったんです。今ではフェードもドローも打てるようになって、今はゴルフが楽しい」。
気になる。“あること”がすごく気になる。年に数度とはいえゴルフクラブを握る者なら、その“あること”が気にならないわけがない。
「そんなに大したことじゃないけど、今は言えないかな。明日が終わったら言いますよ」。
え? してやったり顔の大山に、まんまとお預けを食らってしまった。
「私はまだ発展途上。まだまだ上に行きたいし、行けると思っている。10年後もこの場所(リコーカップ)で戦っていたいんです」。今年でプロ14年目を迎えた36歳。何度もケガを乗り越えながら、今も新しい発見に喜び姿はどこか清々しい。
だから、“あること”を、もう1日だけ企業秘密にしておくのに、つい同意してしまったのだ。
読者の皆さまには誠に申し訳ないことだと思っております。なので、大山さん。最終日は優勝インタビューの後で、こっそり“あること”を教えてください。お願いいたします。(宮崎県宮崎市/塚田達也)