2013年 ヨネックスレディスゴルフトーナメント

夫&キャディとして ~女子プロゴルファーの支え方~

2013/06/09 18:42
夫婦で掴んだ3勝目。この年になって、このラブラブぶりは、羨ましい!

「長かったですね・・・」。優勝を決め、グリーン上で抱き合ったあと、一足先にクラブハウスに戻ってきた表純子の旦那でキャディの広樹さんは、潤んだ目を隠すためにサングラスを外そうとはしなかった。

05年の「スタンレーレディス」からこの日の「ヨネックスレディス」まで。通算3勝目に至る8年弱の長い日々は、出口の見えないトンネルのようだった。「『(11年の)ニトリレディス』で負けたときは、もう無いかなと思いましたね」と広樹さん。結婚後の02年からキャディとして妻に帯同し、コース上でもそれ以外でも献身的にサポートを続けた。

表は言う。「『歩くのが速くなっているからゆっくり歩け』とか言ってくれるし、家では掃除、洗濯をやってくれるので、すごく楽。休みで私が寝ている時も、気を遣って暗い中で本を読んだりしてくれていますね」。2人で掴んだ勝利に、夫への感謝の言葉が溢れた。

優勝を決めたグリーンでは、「声が出なかったです」と広樹さん。「よく頑張ったねっていいたいです」と言葉を振り絞ると、再び目頭を熱くした。

ツアーでも珍しい夫婦での転戦。四六時中一緒にいて、嫌になることはないのだろうか?その配慮について広樹さんに聞いてみた。「うーん、特には無いんですけどね。向こう(表)がけっこうさばさばしていて、次の日には忘れているので、結構言うことは言うようにしていますかね。喧嘩するようにしています」と笑う。「こうみえて、僕の方が引きずるタイプなんですよ」。

妻を“天真爛漫”と表現する一方で、「横にいて、笑ってあげるのも大事かな」と、広樹さんも笑顔を絶やすことは無い。笑顔の裏に隠された苦労は、こういう瞬間に涙となって流されていくのだろう。

「そうそう、ビールを飲み過ぎちゃうんで、止めるのが役目ですね。お互いですけど(笑)」と広樹さん。とはいえ、今夜夫婦で飲むビールは、どんな高級なお酒もかなわない格別な美味しさに違いない。(新潟県長岡市/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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