有村、予選落ちも「きっかけを掴むための、こういう結果」
「このような状態がずっと続いているんです・・・」と俯きがちに、言葉を紡ぎ出そうとする有村智恵。地元・熊本県で開催されている「KKT杯バンテリンレディスオープン」の2日目、23位タイからスタートした有村智恵は、1バーディ、4ボギー、2ダブルボギーの「79」とスコアを落とし、通算8オーバー72位タイで予選落ちを喫した。
この日木戸愛、堀奈津佳と同組となった有村は、雨予報が出されていたにも関わらず、この日一番のギャラリー数を帯同してティオフした。1番では、アプローチで約2メートルの微妙なパーパットを残すが、渾身のパットでねじ込みパーセーブ。さらに2番(パー5)では、右サイドのバンカーからの2打目を、左ラフのライの悪いポジションに置いてしまう。3打目を再びグリーン奥のラフに入れると、アプローチは約3メートルをショートし、2パットのダブルボギー。
次々と自身のミスショットが招くピンチを凌ぎながらの前半を折り返し、乱調のまま迎えた後半。13番(パー3)では、ティショットをピン右約1.5メートルのバーディチャンスにつけ、ようやく1つ目のバーディを奪うも、続く14、15番では連続ボギーで再び後退。自信が持てないままのショットは精彩を欠き、最終ホールも池に入れるトラブルで、ダブルボギーでフィニッシュした。
主戦場を米女子ツアーに移し、現地の芝に慣れようとスイング調整を始めた有村。「早くこの殻を破って、復調のきっかけを掴みたい」ともがき続けたが、未完成のまま臨んだ国内女子ツアー今季初戦の中では、そのきっかけを掴むことができなかった。ただひとつ光明があるとするなら、「今までの悪い状態とは少し違って、この日は昨日よりもスイングの状態は良かった」と日毎に得られる手応え。しかし「応援してくれたファンの方には本当に申し訳ない」と唇を噛み、視線を宙に向けた。
「何かきっかけを掴むための、こういう結果だと思う。次に日本に戻ってくるのは『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』。そこできっちりと結果を残せるように頑張りたい」と、この悔しさを糧に、次のステップに踏み出す。インタビュー後、自身がホステスを務める大会主催者側から労いの言葉を掛けられた有村は、堪えていた涙が頬を伝うと、人知れず涙を拭った。地元ファンやスポンサーの大きな期待を背に再び渡米するが、海の向こうからいい便りが届くことを今は待つしかない。(熊本県菊池郡/糸井順子)
■ 糸井順子(いといじゅんこ) プロフィール
某自動車メーカーに勤務後、GDOに入社。ニュースグループで約7年間、全国を飛びまわったのち、現在は社内で月金OLを謳歌中。趣味は茶道、華道、料理、ヨガ。特技は巻き髪。チャームポイントは片えくぼ。今年のモットーは、『おしとやかに、丁寧に』。