いまだ変わらぬ“古閑先輩”の存在感
首位に1打差の2位タイで「Tポイントレディスゴルフトーナメント」最終日を迎える笠りつ子。2日目に「69」をマークし、上位が伸び悩む中で8位タイからの浮上を遂げた。自らのプレーを一通り振り返ったあと、笠は次のように言葉を続けた。「古閑先輩がいてくれると、いつもいい感じで回れるんですよ」。
古閑先輩とは言わずと知れた、昨年引退発表をした古閑美保のこと。笠は古閑が現役当時から同じマネジメント事務所に所属。さらに同郷(熊本県)ということもあり、今も姉のように慕う存在だ。その古閑が、今週はラウンドレポーターとしてコースに登場。「最初から緊張していた」という笠だが、3番でバーディを先行させると、5番ではチップインバーディ。古閑が初レポーターとして登場した昨年の「リコーカップ」でも“(調子が)良かった”と回顧する笠。「今日もチップインもあったし、いい感じでした」と、目に見えずとも古閑の存在を心強く感じ、バーディを重ねていった。
そんな古閑が笠の組に姿を現したのが14番グリーン。「グリーンの横にいたので分かりました」と、すぐに目で認める笠。緊張、というわけではないだろうが、15番では僅か50センチのバーディパットを外すミスを披露してしまう。今年1月、宮崎で行った合宿に古閑も同伴。ここで「初めてパターのことを言われた」と、古閑から直接指導を受けたという。その成果を・・・と思った矢先の、目を疑うようなミスパット。「まったく活かせてないですね・・・。怒られるかな?」と苦笑した。
昨年12月に古閑と対談を行う機会があり、古閑から「りつ子、今年は3勝するよね?」との問いに、思わず「はい、やります」。それ以降、今年は“3勝”という数字が頭に刻まれている。その1勝目のチャンスが、シーズン3戦目にして早くも巡ってきた。レポーターとしてコースにいる古閑の存在が、そのアシストとなれば面白い巡り合わせだ。(鹿児島県姶良市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。