2011年 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント

4位の前田、古閑に代っての出場に「複雑な心境」

2011/06/09 20:00
古閑美保が欠場して出場権を得た前田久仁子が4位タイ発進。ホールアウト後も複雑な表情が続いていた

今週の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」初日に4位タイと好発進を見せた前田久仁子は、複雑な気持ちでスタートを迎えていた。

前田は今週の出場資格を持っておらず、欠場者が出た場合に出場できるウィティングの1番目。「最近は調子が良いから、出場できればラッキーだと思っていた」。朝6時30分にコース入りし、しばらく練習場で準備を整えていると、11時ごろに欠場選手の知らせが飛び込んでくる。だがそれは、日ごろから親交の深い古閑美保だった。

ロッカールームに足を運ぶと、古閑はめまいを訴えて横たわっていた。「起きられる状態じゃなかったし、可哀そうで・・・。友達に不幸があったわけだし、ラッキーという気持ちでは出られず、複雑な心境だった」。

「美保ちゃんの代わりだし、変なプレーはできない」と気持ちを奮い立たせたが、スタートの12時15分まで時間は残り少ない。定時に1番ティからスタートしたものの、「いつもは2時間前に来て、朝ごはんを食べて練習してからスタートするので、リズムが掴めなかった」と3連続ボギー発進。それでも「このままじゃいけない、と気持ちを切り替えたらバーディが来た」と、その後は7個のバーディを重ね、上位で初日を終えた。

スタート前、横たわる古閑に「美保ちゃん、頑張ってくるからね」と声をかけてロッカールームを出たという。前田をナイスカムバックへと導いたのは、この想いの強さに他ならないだろう。(編集部:塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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