強すぎるが故の“若き申智愛の悩み”
2010/05/02 17:51
「サイバーエージェントレディス」を制したのは、最終日「66」のチャージで鮮やかな逆転優勝を飾った申智愛。首位に4打差からのスタートにも、前半の2番、3番と連続バーディを奪い、早くも「優勝の匂いがした」という。序盤から、相当な調子の良さを実感していたのだろう。
優勝会見で開口一番、「夢のようです。自分でも信じられません」と満面の笑顔を見せる。この勝利により、賞金ランキングでは朴仁妃、アン・ソンジュに続く3位に躍進。“コリアン旋風”が巻き起こっている今年の日本ツアーに、昨年から見慣れた名前がいよいよ浮上してきた。
今週メキシコでは、世界ランク1位に立つロレーナ・オチョアの事実上の引退試合が行われている。今回の勝利により、現在同ランク2位の申が、また一歩頂点へと近づいた事になった。今後、ツアーに出場しないオチョアを抜くのは時間の問題と言えるだろう。
アジア人では初の世界ランクトップに立つことに関して、「すごいことだとは思うけど、またそこから始まる悩みを考えなくてはいけない」と、近々訪れるであろう状況に思いを巡らす。その重圧を打ち消すように、「世界ランクやマネーランクは考えず、(良い時と)悪い時との差があまりないプレーを目指したい」と、数字的な目標は語らない。まだ22歳になったばかり。強すぎるが故の、“若き申智愛の悩み”。その重圧に打ち勝つハートも、女王に君臨し続けるには必要な要素なのだろう。(編集部:塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。