北田を2年ぶりの勝利に導いたチームの絆
瞬間最大風速18メートル、読みにくい強風が上空を舞った「Tポイントレディス」最終日。スコアを落とす選手が続出するサバイバル戦を制したのは、2年ぶりの勝利を飾った北田瑠衣。「こんなに緊張したことない、っていうくらい、朝から緊張していました」と振り返る。
この日、2007年から師事する谷将貴コーチと、兄弟子である片山晋呉がコースに姿を現した。片山からは今朝、『耐えるんだよ』というメールが届いたという。「今日のコンディションでは(耐える事が)大事だと思っていたので、気がラクになった」と北田。緊張する状況にあって、心の中に貫く1つのテーマができたことは大きな違いだったろう。
北田が、片山がオフに行う宮崎合宿に参加してから今年で3回目。「今まではシンゴさんが言っていることや練習方法の見よう見まねだったけど、最近はだいぶ分かるようになってきた」という北田。片山も、「今年は聞いてくる内容にしても、前よりも濃い内容になってきた」と、北田の変化を口にする。谷コーチも「以前は(北田が)シンゴに具体的なことを聞いていたけど、シンゴはそういのを嫌うんです」と話す。答えを聞くだけではなく、考えることが大切という片山の信条。「育てたい、という気持ちがあるのでしょう」と、谷コーチは説明する。
片山自身も4月に海外メジャー初戦「マスターズ」を控えている身。「いつも一緒に練習しているけど、今ここにいられたのは良かった。良い刺激にもなりましたね」。明日からは北田、片山、谷コーチともども宮崎へ移動し、再び合宿を行うという。今週は、まさに強いチームの絆を感じさせる勝利だった。(編集部:塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。