怪我を乗り越え、今季ベストフィニッシュなるか!?/大塚有理子
今年1月、1995年以来となる「トーナメント特別保障制度」が適用された選手がいた。今週開催されている「新キャタピラー三菱レディース」初日に3位タイという好発進を見せ、2日目を終えて通算3アンダーの13位タイと上位争いを演じている大塚有理子だ。
「トーナメント特別保障制度」は、相撲で例えれば“公傷”と同じようなもの。試合中に負った怪我と認められれば、その間に出場できなかった試合の出場資格は翌年に持ち越される(翌年、怪我により欠場した試合と同じ試合に出場できる)。そこで獲得した賞金は2007年度の賞金額に加算され、その総額で2008年度のシード権を争う仕組みだ。
大塚は、昨年の試合中に痛めた右膝が悪化。今年1月、今後のことを考えて内視鏡による手術に踏み切った。手術後は安静を強いられ、ようやくリハビリを始められたのは約3週間後だったという。
ただでさえ負担がかかりやすい膝、激しいトレーニングはもちろん御法度。しばらくはプールで泳ぐだけの慎重なリハビリが続いた。ようやくボールを打つことが許されたのは、2ヵ月後の2月末。「2ヶ月間もボールを打たなかったのは初めて」という大塚は、「すごく新鮮で、楽しかった」と当時を振り返った。
「もう膝は完治して、まったく問題ありません」という大塚は、今季女子ツアーの第9戦「中京テレビ・ブリヂストンレディス」から復帰。その後12試合に出場し、最高位は16位タイ。賞金ランキングは78位(8月13日現在)につけている。2001年から今年まで、7年連続でシード権を死守している大塚。今季はピンチを迎えてはいるが、今週は「ここ2試合でショットが良くなった」と話す通りの好調ぶりだ。リハビリという苦難と引き換えに、ゴルフの楽しさを再認識できた今季。このまま年内にシード権も確定して、実りあるシーズンにして欲しいと願う。(編集部:塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。