世界を舞台に戦うアマチュア、宮里美香の魅力
今年の「スタジオアリス女子オープン」には、将来性豊かな4名のアマチュアが参加。その内、若林舞衣子(18)と宮里美香(17)のレギュラーツアー出場経験豊かな2名が、見事に予選を突破した。
先にホールアウトした宮里に話を聴こうとしたが、サイン攻めにあっていたため横で待機。すると、お年を召した夫婦らしき2人が宮里に歩み寄ってきた。聞けば、宮里の(母方の)祖父の兄弟夫婦だという。年齢を伺うと、ともに85歳という元気な返事。兵庫県の加古川に在住しており、開催コースが近かったため、初めてトーナメント会場に訪れたという。
父・隆さんと母・洋子さんを含め、この日は4人の心強い応援団がついていた宮里。初日を終え3オーバー41位タイと、予選通過も危うい順位からのスタートとだったが、“家族の愛情”が奏功してか、この日はパープレーで回り、41位タイから28位タイへジャンプアップ。「今日は頑張らなくっちゃ、って思いました」と、笑顔で話した。
JGAのナショナルメンバーである宮里は、先月下旬にフィリピンで行われた女子アマのアジア国別対抗戦に出場したばかり。さらに、2006年のゴルフ競技大会(ドーハ)では銀メダルを獲得。海外のライバル達を相手に世界各地で活躍している姿など、幼さの残る外見からは想像し難い。
「海外の試合はいい経験になっています。海外の選手達からは、とくにパットやアプローチなどの小技の大切さを学んでいます」という言葉を聴いて、やっと宮里の並外れた経験値の大きさを再認識する。「将来的には、アメリカに行きたいと思っています」と、すでに未来への大きな目標も据えている。
親族に囲まれて笑顔を振りまく“コドモ”の宮里と、海外へ向けた将来の目標を語る“オトナ”の宮里。凄そうじゃないけど、本当はスゴイ。このアンバランスさも、宮里の持つ魅力の一つだと思う。
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。