10人中、8人が予選突破した韓国勢の強さ
韓国の辛ヒョンジュが単独首位を守り、最終日を迎える「スタジオアリス女子オープン」。順位を下に辿ると、3位タイに全美貞と丁允珠。11位タイにはベテランの李知姫と、昨年12月に行われたファイナルQTをトップ通過した新鋭のイム・ウナ。今大会には10人の韓国人選手が出場し、実に8人が予選突破を果たしている。
韓国勢の台頭が、何も今大会から始まったことでないのは周知の事実。開幕戦を宋・ボベが制し、「PRGRレディスカップ」では米国LPGAでも活躍する申智愛が勝利。その米国LPGAでは、日本より一足先に韓国勢の猛威が上陸し、今や一大勢力を築いている。日本に無くて、韓国にないものは何か。日本ナショナルメンバーの一員として、同世代の韓国人ゴルファーと数多く対戦してきたアマチュアの宮里美香は、こう持論を述べた。
「ハングリー精神の違いだと思います。アジア大会の時の話になるのですが、韓国では金メダルを取れば、家族の生活も保障されるそうです。モチベーションが違いますし、“勝ちに行く”気持ちが顔にもプレーにも表れているように感じます」。
さらに、ナショナルチームの考え方も日本と韓国では異なるらしい。「ペ・ジェヒさんから聞いたのですが、韓国のナショナルチームは年に200日くらい合宿を組むそうです。やっぱり団結力が違ってきますよね」と宮里。なるほど、ゴルフというスポーツを支える土台が、ケタ違いに太く大きいのだ。すべてのケースに該当しないかもしれないが、ゴルフだけに集中できる環境で培われた技術やメンタルが、若くして完成されたゴルファーを生み出しているのも一因だろう。日米の“韓流ブーム”は勢いを増すばかりだ。(編集部:塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。