1年を経て、同窓生たちの立場は…
例年、前年度のプロテストに合格した若手選手たちが数多く出場する「プロミスレディス」。今年も例外ではなく、実に18人の対象選手たちが登場した。そのうち、主催者推薦枠により出場したのが13人。この13人は、レギュラーツアー出場の優先順位を決める予選会(QT)で上位に入れず、ツアーの出場資格がない選手たちだ。
さらに今大会では、プロテスト合格後から初めてレギュラーツアーデビューを果たした選手が2人いる。プロテストを8位タイで通過した下川めぐみと、11位タイで通過した井上景湖だ。QTは共にファイナルまで進めず、レギュラーツアーの出場権は獲得ならず。下部ツアーでプレーを続け、プロテスト合格後ほぼ1年を経てようやくデビュー戦を迎えたのだ。
「スタートのアナウンスを聞いたら緊張してしまって…。出場が決まってすごく嬉しくて、上位を狙おうと思いましたけど、いろいろと甘かったですね」という下川は、6オーバーの100位タイと出遅れてしまった。一方の井上は、2004年にレギュラーツアー出場の経験を持つが、ヘルニア性の腰痛により2006年までゴルフ界から離脱。2007年にプロテストに合格し、転向後は初めてのレギュラーツアー出場となった。「出場が決まって、“ありがとうございます!”という気持ちでした。焦りが無かったと言えば嘘になりますが、今はゴルフができることが楽しいんです」と話す。
同期の服部真夕は、今やシード選手に名を連ねる注目株。若林舞衣子、一ノ瀬優希らも、昨年末のQTを上位で通過し、レギュラーツアーで着々と経験を重ねている。同じスタートラインに立っていた者同士が、1年後には残酷なまでに大きく立場が変わってしまうゴルフ界。この会場で顔を合わせた同窓生たちの胸には、さまざまな想いが交錯し合っていることだろう。(編集部:塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。