国内男子ツアー

選手会長・石川遼 男子ツアー再興プランと自身の今後

2018/01/05 17:23
石川遼は史上最年少で男子ツアーの選手会長に就任した

石川遼がジャパンゴルフツアー選手会の会長に史上最年少(26歳110日)で就任した。選手会は5日、都内で理事会を開き、選手の互選で会長を選出。国内ツアーの本格復帰初年度は、宮里優作から大役を引き継ぎ、ツアーのリーダーとしての活躍が求められる。

新年1月2日。石川は近年、恒例にしている小平智らとの、プライベートでの初打ちゴルフでホールインワンを達成した。「びっくりしました。どんな年になっちゃうんだろう」。そんな期待と不安が渦巻いた翌日、スマートフォンに宮里から長文のメッセージが入ったという。選手会長就任の打診だった。

26歳の選手会長は、2013年当時27歳で就任した池田勇太を抜いて最年少。ただし、石川は16歳から10年間、プロの世界に身を置いてきた。その10年は誰よりも濃密で、日本ツアーで14勝を挙げ、5年の間、米ツアーを主戦場にした。国内で絶頂期を過ごし、米国では打ちのめされながら地を這って戦った。抜群の知名度と発信力だけでなく、豊富な経験への周囲の期待は大きい。

人気低下が深刻といわれる国内男子ゴルフの“復権”について、石川は「数字の1というのがキーになると思う」と所信表明した。「トーナメント会場に足を運んでくださる人、ゴルフファンをひとりでも増やせるように。1%でもテレビの視聴率が上がるように。何かをひとつでも良くするために何をすべきかを考えたい」という。

ファン獲得へ具体的なプランに挙げるのは、大相撲の“地方巡業”をモデルにしたもの。かねて「ツアーの会場は毎年、ほとんどが決まったコースで行われている」と懸念しており、オープンウィークにプロツアーが開催されていない地域で短期間のチャリティ大会などを開催して、人気向上のきっかけを創出したい考え。選手への負担が大きく、手腕が問われるところでもあるが、「(分業化が進んでいる)PGAツアーとは違い、僕ら(日本ツアー)は選手が主体となって取り組んでいくことでツアーが良くなるのではないか」と、前のめりになって問題を解決する姿勢を示した。

石川は昨年秋にPGAツアーのシードを失った。残された米下部ウェブドットコムツアーでの出場権を頼りにレギュラーツアーへの復帰を目指すこともできるが、今回の就任は一時撤退の色をより濃くする。米国への夢は捨てきれない。それでも「自分では今年一年で、アメリカにすぐ戻れるほどの技術はない。自分のゴルフに対しても、畑を耕して、種をまきたい」と、じっくり再渡米への実力を蓄える覚悟を決めた。

幸い、宮里が選手会長を務めながら賞金王のタイトルを手にしたことは、石川のゴルフ自体においても強い刺激になる。「宮里前会長が賞金王を取ったのは心強い。歴代の会長がやってきたことを引き継ぎながら、10年後、20年後の男子ゴルフ界で、選手がより安定した職場で働けるように自分も取り組みたい」と、コース内外で強い選手会長像を追い求めていく。石川はアジアンツアーを兼ねた日本ツアー「SMBCシンガポールオープン」、「レオパレス21ミャンマーオープン」、そして欧州ツアー「メイバンク選手権」に出場予定。(編集部・桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw