アダム・スコットと松山英樹が次世代ジュニアに伝えた言葉
◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 事前◇狭山ゴルフ・クラブ(埼玉)◇7208yd(パー70)
開幕を2日後に控えた11日(火)、アダム・スコット(オーストラリア)と松山英樹が、JGAナショナルチームメンバー及び各地区ゴルフ連盟の強化指定選手約40人のジュニアゴルファーを前に、世界で活躍するプロゴルファーになるための心構えや考え方を伝授した。2人はいったい何を伝えたのか? ここに書き留めておきたい。(埼玉県入間市/今岡涼太)
◆松山英樹
「英語は勉強した方がいい。自分もこっちに来てから何回もやろうとしたけど、2日でやめちゃう(苦笑)。何か分からないことがあったり、今回みたいにアダム(スコット)が来たりしたときに、すぐ話を聞けるのは大きいと思う」。
「海外に行ったときに、もっと練習しておけば良かったと思う。今は逆に日本の芝が難しく感じるし、向こうの芝の経験をたくさん積んでおけばプラスになる」
「(若いうちのトレーニングは)走ることがいいと思う。下半身の力が大事だし、体力をつけるのが大事。専門的なトレーニングは大学生やプロになってからでも遅くはない。走ることは一番しんどいし(笑)」
「(プレッシャーが掛かっても普段と変わらないようにプレーするには?)変わるものだと思ってやっている。リズムが早くなったりするし、だから走ってすぐショットをするとか、そういう状況を作って練習する」
「優勝争いの緊張の中で、自分の一番のパフォーマンスを出せるように練習する。たとえば、1mのバーディパットを入れられなくて負けたとしたら、そのパットを入れられるように練習する。試合で勝ちたいと思うので、そのために練習する」
◆アダム・スコット
「結局、世界のどこでプレーをしてもカップの大きさは一緒なので、強い自分を作ること、忍耐強くあることが大事になる。ゴルフは浮き沈みがあるので、落ち着いて、自分を信じ続けること。ネガティブにならないことが重要」
(試合中の感情のコントロールについて)
「感情をコントロールすることは、準備の一部とも言える。たとえその試合に勝てなくても、次の試合に向けてポジティブな何かを得たいと思ってプレーをしている。たった1回、感情を爆発させただけで、それまで練習で費やしてきたことを台無しにしてしまうことがあるので、自分はあまり感情を出さないように心掛けている」
「(PGAツアーで活躍するには何が必要?)PGAツアーは競争がとても激しく、トッププレーヤーですら困難を味わうので、1Wからパターまで、“強い自分のゴルフ”を確立しないといけない。そして、自分がどうすれば良いプレーが出来るかということを本当に理解しないといけない。
自分も昔は、グレッグ・ノーマンやタイガー・ウッズのようなプレーをしたいと思ったことがあるが、結局はアダム・スコットのゴルフを見つけないといけない。たとえば、ロリー・マキロイとジョーダン・スピースは、自分から見ると全く違うタイプのゴルファーだ。それでも、2人ともメジャー大会で勝っている。トップ選手になるには多くの道があるということだね」
「(16歳の頃はどんな練習をしていたのか?)特別なことはなく、ただ、できるだけ沢山練習をしてきた。その時期はまだ体も成長をしているし、それに適応していかないといけない。自分はたくさんショット練習をしてきたから、今の自分があると思うけど、本当はチッピングとパッティングをもっと練習するべきだった。一般的に言えば、60%の時間をショートゲーム、残り40%をその他に費やすべき。良いショートゲームを持っていれば、プロで活躍することができるから」
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka