18歳の川村昌弘「川村流と呼ばれたい」
心配された豪雨の代わりに、強い風が吹き抜けた「つるやオープン」最終日の山の原GC。時折雨もぱらつく難コンディションとなったが、プロ2戦目を戦う18歳の川村昌弘は、「風があった方が球を曲げたりしやすくなるので、苦手ではないです」とあっさりと言い切った。前半は2つのOKを含む4バーディを奪い、後半は1バーディ1ボギー。最終日に4つスコアを伸ばして通算10アンダーの3位タイで572万円を稼ぎ出した。
「ジュニアの頃からラウンドばかりやらせてもらっていたし、ホームコースはティショットが打ち下ろしばかりの狭いゴルフ場だったので」と、球を操ることには慣れている。同組で回った諸藤将次のキャディ・佐藤賢和氏も「持ち球はフェード系なんだけど、曲り幅が同じで安心してみていられる」と、新人らしからぬ安定感に舌を巻いていた。
5歳からゴルフを始めた川村だが、「教わったのはグリップくらい」と自己流を貫いてきた。増田哲仁コーチに見てもらっている現在も、「少し言ってもらうくらい」と大幅なスイング改造をやるつもりはない。携帯カメラなどで簡単にスイングが撮影できる昨今だが、「あきらかにおかしいので、見たくないです」と苦笑する。
開幕戦は26位タイ、第2戦は3位タイ。早くもツアーで存在感を示し始めている川村は、「青木さんのように、他の人に出せない個性を出して川村流と呼ばれたい」とその野望を抱く。6月でようやく19歳になる若武者の、準地元で迎える次戦にも注目だ。(兵庫県川西市/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka