休業も覚悟した谷原秀人「今は幸せ!」
国内男子ツアーの開幕戦「東建ホームメイトカップ」の最終日、快晴微風というコンディションで多くの選手がスコアを伸ばしたが、最終組の2つ前でラウンドした谷原秀人も優勝争いの一角に加わった。
前半の4番から3連続バーディを奪うなど6番までに4つスコアを伸ばした谷原は、この時点で9アンダーとした。この時点で首位グループに1打差と迫ったが、後半に2つしか伸ばせず通算11アンダーの4位タイに終わった。
ラウンド後の谷原は「手ごたえは全然ない。練習ほとんどしていないし、今年が一番練習していないかな」と言う。練習はしていないというよりも、出来ない状態だった。以前から右肩を痛めていた谷原は、ショット後の肩をかばうシーンがよく見られた。
「止めようかと思っていたんですよ。今シーズンは保障を使って1年間休もうかと思うぐらい肩が上がらなくて・・・」とさらりと深い話を始めた。保障とはJGTO(日本ゴルフツアー機構)が制定している特別保障制度のことで、ケガなどの理由で長期間試合に出場できない選手には、シード権をその休んだ期間分保障するもの。
今回の開幕直前まで悩んだ谷原だったが、トレーナーから医者を紹介され、診察を受けると「肋骨が動いていないよって言われたんですよ。で、肋骨を動かしたら不思議なほど肩の痛みが取れた。それでリハビリを続けたらスイングも出来るようになったんです」と肩を上げてみせる。
肋骨が動いていないことで、呼吸も浅くなっていたようで、横隔膜の動きも鈍っていた。その治療を繰り返すうちに痛みがなくなり「ストレスがなくて嬉しいですね。トップで痛みを感じずに振れるのは最高に良いですね。今は幸せです」。2年半、痛みに耐えてきた谷原は、この日4位タイに食い込む結果も残し、痛みもなくなりダブルの喜びをかみ締める。
谷原のいう肋骨を動かすという動作、胸を張って大きく深呼吸を繰り返すという動きを真似してみたら、肩こりのひどい筆者も肩が軽くなったような気がしてきた。ゴルフで痛めたものではなくても、肩こりでお悩みの方にも効果はありそうだ。(三重県桑名市/本橋英治)