石川遼 義援金は約1億3348万円
2011年の国内男子ツアー最終戦「日本シリーズJTカップ」は通算10アンダーのトップタイで並んだ藤田寛之が、谷口徹とのプレーオフを制し、今季初勝利を飾って幕を閉じた。石川遼は通算7アンダーの3位タイに終わり、アマチュア時代の2007年以降初めて未勝利のままシーズンを終え、年間獲得賞金で4年連続1億円突破はならなかったものの、東日本大震災の被災地への義援金は1億3000万円を超えた。
「WGCキャデラック選手権」出場のため米国フロリダ州マイアミで迎えた「3・11」。石川はその後、今季の海外メジャー4試合と国内ツアーでの獲得賞金、および1バーディを獲得するごとに10万円を積み立て義援金とした。ひとつの区切りとなる、シーズン最終戦。この日までに積み立てられた額は1億3348万2603円(獲得賞金額9828万2603円、イーグル、ホールインワンを含むバーディ数352)となった。
もちろん、支援に奔走したのは石川だけではない。日本男子ツアーでは選手会が今季の全25試合における獲得賞金の6%にあたる約1億7000万円を、日本ゴルフツアー機構(JGTO)が約3000万円を拠出し義援金に。また、開幕戦の「東建ホームメイトカップ」からトーナメント会場で募ったチャリティ募金、約1億5000万円を9月末に日本赤十字社に届けており、もちろん選手個々や、それぞれのトーナメントによる支援を含めればこの限りではない。
「責任感というか、やらなくちゃいけないという“やりがい”を感じました。これからもどういう形であれ、何十年もサポートしていく責任がある。今の日本にとってスポーツの力は大きいと思っている。スポーツの力で勇気を与えられるかもしれない、そういうことを感じた一年だった」と石川。来季の具体的な方法は未定だが、長期的に支援を続けていく考えだ。
現在、国内男子ツアーにはここ4シーズン、東北地方で大会が行われておらず、“ハニカミ王子”はいまだ同地方でトーナメントを戦っていない。関係者によれば、近日中に発表される来季のレギュラーツアーの日程の中にもそれは存在しない。
JGTOでは4月、スローガンとして「今、日本のために」を掲げた。これは来シーズン以降も継続されるという。その思いが、ただの言葉だけに留まらないよう願いたい。(東京都稲城市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw