片山晋呉「あとは勝ちたいという気持ち」
今季の国内男子ツアー第20戦「ブリヂストンオープンゴルフトーナメント」は、最終ラウンドを首位タイからスタートした谷口徹が6バーディ、ノーボギーの「65」をマークし通算15アンダーとして今季初勝利、ツアー通算17勝目を飾った。
終わってみれば2位に5打差をつける圧勝劇。しかしこの最終日、猛然と追い上げを見せて優勝争いに加わってきたのが、片山晋呉だった。4アンダーの13位タイから出ると、8番から「チップインから始まった」という怒涛のラッシュ。あれよあれよとリーダーズボードを駆け上がり、13番では第2打がバックスピンでグリーンからこぼれ落ちてしまうも、再びチップインで決めて、なんとプロ入り後初の6連続バーディを奪取。通算10アンダーまで伸ばして、一時は谷口に1打差にまで迫った。
結局2位タイに終わったものの、軽やかにホールアウトしてきた表情は晴れやかそのもの。通算26勝目をマークした2008年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」以降、永久シード権保持者が2シーズン勝ちが無い。だが「手応えは感じている。もうちょっとのところだね。このままやっていれば、うまく転がり出すんじゃないか」と充実感がにじんだ。
ここ最近、長尺パター姿が目立っていたが、決勝ラウンド2日間は中尺でプレー。「いやあ、ジャンボさんと(予選ラウンドで)一緒に回ってたら、俺も長いのを使ってる場合じゃないなって。昨日から変えた」。片山につくギャラリーの声援もいよいよ叫び声のように試合を追うごとに大きくなってきた。
「いいゴルフができてきた。あとは“勝ちたい”という気持ちがいかに出てくるか」。そう、自信ありげに締めくくった片山。3日目は尾崎将司、中嶋常幸の同組対決に目が行き、この日はお互いを「気にならなかった」と、そっけなかった谷口VS片山の頂上対決を期待した。池田勇太と石川遼のことが、ちょっと頭をよぎったが、残り5試合となった終盤戦が楽しみになった。(千葉県千葉市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw