伊藤誠道16歳、最終日最終組で得た経験
「ANAオープン」最終日、高校1年のアマチュア・伊藤誠道による快挙は達成されなかったが、雨、風、寒さ、そしてトップで迎えた最終日最終組という状況を考えると、1バーディ3ボギーの「74」、通算10アンダーの6位という成績は、大健闘と言えるのではないだろうか。
最終日、伊藤の命綱ともいえるフェアウェイキープ率は半分以下の42.8%(14分の6)に落ち込んだ。「ランが出なくて距離も出ないので苦しくて。耐えて耐えてという中で2ボギーが先にきて・・・」。それでも10番では159ヤードを8Iで1mにつけてバーディ奪取。「目標スコアもあったので、それに近づくようにプレーしていた」と最後まで諦めなかった。
「最終日はまた違う緊張感があって、それが影響しているのかもしれないけど、そこまでは。単にパターが入らなかったかなと。(優勝争いの)空気を感じてプレーできた実感はあります」と伊藤。
「アマの分際で生意気かもしれないけど、悔しいは悔しいです。優勝スコアが13アンダーなので、(スタートから)1打伸ばせばプレーオフ、2打伸ばせば優勝。その1打、2打が難しいけど、最終日に伸ばせないのはメンタル、技術が弱いということ。良い成績の中にも反省が感じられるので、プロになって4日間トーナメントの最終日に生かせればいいと思います」と、16歳とは思えぬ堂々たる態度で振り返った。
伊藤の次なる目標は9月末にシンガポールで開催されるアジアアマチュア選手権。昨年、松山英樹が優勝し、マスターズでのローアマ獲得のステップとした大会だ。今年で2度目の出場となる伊藤は、「去年はすごいところに来たなって感じだったけど、今年は優勝を狙います。去年は“言うだけは簡単”(の優勝宣言)だったけど、今年は有言実行を目指します」ときっぱり。海外からの吉報に期待は高まるばかりだ。(北海道北広島市/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka