石川遼に韓国メディアがキツ~イ質問
男子プロゴルフの日韓対抗戦「ミリオンヤードカップ」開幕前日の6月30日(木)、会場のチョンサンカントリークラブでは日中プロアマ戦が行われ、その後選手たちが宿泊するホテルで公式会見が催された。
日韓の両キャプテンと各チーム10人ずつの選手が一同に出席し、決戦前夜とはいえ、華やかな雰囲気で進められていたこの会見。しかしその和やかムードが少し変わったのは、日本の石川遼へ飛んだ韓国メディアの質問だった。「日本ツアーでは素晴らしい実績を残しているが、海外ではなかなか結果が出ない。それは精神的な問題が理由か?」―。
思わず両軍の選手たちからも苦笑いがこぼれる中、石川は「気持ちの差ではなく、単に僕の技術のせいだと思っている。精神面ではなくて、自分のゴルフの力が足りません」と冷静に、笑顔を交えながら、そして視線を落とさずに話した。
石川は初出場した2009年のマスターズから、4大メジャー全大会に複数回出場。確かに目標に掲げる最終日の優勝争いはまだなく、日本ツアー通算9勝という輝かしい成績からいえば、物足りないという視線もあるかもしれない。「全米オープン」でのロリー・マキロイ(北アイルランド)の衝撃的な優勝もその見方を強くしている要因のひとつと言えそうだ。
それでも石川が確実に実力を底上げしていることは疑いようがない。メジャーでの結果だけ見ても、「全米プロ」を除けば毎年、前年度大会を上回る成績を残しており、一歩一歩階段を上っている印象だ。そして今季の国内ツアーでも、未勝利ながらいつのまにか賞金ランクトップに躍り出ている。
前述の回答に石川は「今すぐに(結果を出す)というのは難しいが、いつか活躍できるように頑張りたいと思います」と続けた。このキツ~イ質問が、19歳への海を越えた期待と、注目度の高さもうかがわせた。【韓国・釜山/桂川洋一】
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw