2021年 中日クラウンズ

これがナショナルチームのコースメモ 中島啓太が悔やんだ一打

2021/05/02 07:16
中島啓太は今季初の予選落ちに

◇国内男子◇中日クラウンズ 3日目(1日)◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知県)◇6557yd(パー70)

「何がしたいんだろう…というマネジメントばかり。良いショットを打った記憶がない」。中島啓太(日体大3年)は自分に厳しかった。2020-21年シーズンで出場した5試合で初めての予選落ち。その事実で注目されるのも、世界アマチュアランキング1位(男子)の宿命かもしれない。

初めての名古屋ゴルフ倶楽部 和合コースでの戦いを前にして、普段の用意周到な準備にほころびが出ていた。開幕前に“寝違え”から首を痛め、練習ラウンドはインの9ホールしかできなかった。「良いゲームプランを立てられなかった」と悔やむ。

不安を抱えたままティオフし「初日の2ホール目で流れを悪くした」という。前半11番、フェアウェイから残り100ydの2打目を左手前のピンより左のバンカーに入れてボギー。「キャディと『ピンの右手前を広く使ってバーディパットを打とう』と話したのに。ピンからフェードさせるイメージが、フックしてしまった。逆球が出た瞬間、頭が真っ白になって…」

予選36ホールのバーディはその直前の10番だけだった。硬いグリーンの攻略に苦労し、2m以上のパットもほとんど決めることなく、通算12オーバー。「言い方は悪いですけど、こんなに悪いゴルフは最近なかったと思います」。落ち着いた口調に失望感を込めた。

中島啓太のコースメモ。赤いエリアは「行ってはいけないところ」

寝違えというアクシデントは想像以上に痛かったが、できる範囲で準備していたことも間違いではない。前週、中島らが所属するナショナルチームのメンバー数名は13日(木)開幕の男子ツアー「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」(神奈川・相模原GC東コース)に向け、練習ラウンドを敢行。その際にオーストラリアにいるヘッドコーチ、ガレス・ジョーンズ氏とオンラインでミーティングを行った。

これまでも徹底されていた攻略のためのコースメモ作りをバージョンアップ。各ホールのエリアを蛍光ペンで色分けし、「分かりやすく、見た目から意識づけをするよう」を指導された。「ジャスティン・ローズさんなんかはマーカーで色分けしている。それを始めてみよう、と」。打ってはいけないエリアは赤色に塗り分け。「何回も赤いところから打ってしまいました」と苦笑した。

「1週間は大学に戻ります。リセットできれば」。挽回の機会はすぐに来る。(愛知県東郷町/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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