2013年 全英オープン

ファルドからマキロイへ「好機は一瞬しかない」

2013/07/17 08:24
苦境のマキロイ。結果をコース上で残すしかない!

2012年の「ザ・ホンダクラシック」で初めて世界ランク1位に立ったロリー・マキロイ(北アイルランド)は、その後何度か入れ替わりながらも、32週間連続でランク1位(通算39週)をキープして、13年3月末にタイガー・ウッズにその座を明け渡した。

今年はナイキと新たなクラブ契約を締結し、その他にも様々な契約やイベントに顔を出したマキロイ。その一方で、本業では今季トップ10入りがわずかに4度で、優勝はおろか、優勝争いに絡むことも稀。飛ぶ鳥を落とすかのようだった勢いも、いつの間にか急速にしぼんでしまった。

過去世界ランク1位にも上り詰め、メジャー大会6勝を誇る英国の大先輩、ニック・ファルドは、最近はゲームの知識やスポーツに対する理解が深まった影響で、若者の成長が早くなったことを指摘する。「15歳の少年を例にとれば、彼がどうプレーするかの青写真はそこにある。肉体的にどう鍛えれば良いかも知っている。推測ではない。技術的にはコーチングも進歩した。スポーツ心理学者も知りたいことはなんでも知っている」。だから、すべての若者の前にシンプルにチャンスがある、とファルドは続ける。

だが、話がマキロイに及ぶとファルドは表情を引き締める。「彼の頭の中にはいろいろなことが巡っているのだろう。自分のキャリアを鑑みても、たくさんのビジネスや色々なものごとに巻き込まれてきた。もし集中力が途切れてしまったら・・・、ゴルフ場の外でも、たとえ練習でも、100%の集中が必要だ。最も理想的な1日を挙げるとしたら、朝9時にゴルフ場に行って、1日中球を打って、夕方5時に家に帰る。なんてクールで、素晴らしく、愛すべき1日だろう。とても生産的な1日だ。こういうことをやらないといけないんだ」。

「好機は一瞬しかない。これが、マキロイに対して唯一忠告できる言葉だね。アスリートとしては20年の短い期間。ゴルフに集中して、他のことは考えるな。40代か50代か分からないけど、引退したときに残り40年ほどの人生を楽しめばいい。だから、今はゴルフに集中するべきだ」。明日、公式会見が予定されているマキロイは、いったいどういう反応を見せるだろうか。(英国ミュアフィールド/今岡涼太)

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