10ftチャレンジ成功にバンザイ! ベテラン川村昌弘は省エネ調整
◇欧州ツアー◇ポルシェ シンガポールクラシック 事前(20日)◇ラグーナ・ナショナルゴルフリゾートC(シンガポール)◇7420yd(パー72)
10ft(約3m)のパットは5回目の挑戦できれいにカップに吸い込まれていった。撮影していたカメラマンから歓声を浴びて、川村昌弘は“バンザイ”のポーズで喜んだ。
カップから1ft(約30cm)おきに並んだティペグは10個。1、2、3…と近いところから打っていき、10ftまで外さずにカップインしたら成功。欧州ツアーがプロモーションの一環で用意したチャレンジ企画で、毎週ユニークなお題に挑戦する選手の動画をSNSにアップしている。
川村がプロモーションに参加したのは、意外にもこれが初めてだと言う。ちなみに、直前に挑戦した星野陸也は8回目でギブアップ。川村は「2モア!(あと2回)」と宣言してから2度目で10ftを決め切った。「このチャレンジは、気楽で良いですね」と笑顔には余裕が漂う。
欧州ツアーに本格参戦して6年目。気づけば星野をはじめ、海外進出を決めた日本勢は年下ばかりになってきた。「もう、ほぼほぼ自分が最年長(30歳)。それだけ長くやっているんだなっていう気持ちになりました」と話す。
本コースでの試合は2014年の欧亜共催「ザ・選手権」、翌年のアジアンツアー「ワールドクラシック選手権」で経験。コースは違えど、日亜共催「SMBCシンガポールオープン」(セントーサGC)など「かなりの試合数をやっています」とシンガポールでの試合も慣れたものだ。
今季は1月「ドバイデザートクラシック」7位が最高位。直近の試合では、得意と自負する2月「マジカルケニアオープン」では予選落ちだった。それでも「ここでダメだったかっていうのはあったけど、難しいコースでもあるので流れでうまくいかなかった。特別、何が悪いというわけでもないので」と焦りはない。
ただ一つ、心配なのがシンガポールの蒸し暑さ。「なんせ暑いので、体力勝負。まず4日間やることが大事です」。開幕前日は練習ラウンド9ホールに留め、暑さが増す午後を前にクラブをしまう省エネ調整。熟練の技を持つ“ベテラン”にとっても、東南アジアの気候は要注意だ。(ラグーナ・ゴルフ・グリーン/谷口愛純)