「WGCメキシコ選手権」で知っておくべき5つのこと
今季2戦目の世界ゴルフ選手権が開催される今週のメキシコで注目すべき5つのポイントは次の通りだ。
タイガー未踏の地
世界ゴルフ選手権において、タイガー・ウッズは達成可能な偉業をほぼ全て成し遂げてきた。ウッズは同選手権を18度も制覇しており、これは2位に13勝の大差をつける最多勝記録となっている。ウッズはWGC4大会中、「WGC HSBCチャンピオンズ」を除く3大会を制覇しており、なかでもファイヤーストーンCCで8勝、そして今大会で7勝と圧倒的な強さを見せてきた。
とは言え、ウッズにとって過去2年この大会が開催されているチャプルテペクGCは未踏の地だった。未だ勝利の美酒を味わっておらず、メキシコでの初挑戦に臨むことになる。
ここ2年でのナウカルパンにおける出場選手たちの平均フェアウェイキープ率は10ホールを切っていることから、さほどティショットの精度は求められず、グリーンを狙う2打目以降の精度が重要となるコースであることが理解できる。この分野こそ、今季これまでのウッズが最も得意としているプレーなのである(ウッズは2019年に出場した「ファーマーズインシュランスオープン」と「ジェネシスオープン」の2大会で、それぞれフィールドに対して+4.26と+1.96のストローク・ゲインドを記録している)。
年間王者タイトル防衛へモリナリが始動
今週は現「レース・トゥ・ドバイ」王者であるフランチェスコ・モリナリが、ようやくシーズンを始動させる。
昨季はメジャー初優勝に加えて「ロレックスシリーズ」初制覇も遂げたほか、「ライダーカップ」では欧州代表史上初となる全5ポイントを獲得するなどキャリア最高の1年を送っただけに、今季は彼にとって位置付けの難しい1年となる。
しかし、昨年見せたオールラウンドの安定感と質の高さがあれば、メキシコで始動する今季もトップレベルのゴルフを見せてくれることだろう。
ジャスティン・トーマスの忘れ物
米国のジャスティン・トーマスはメキシコを気に入っていると断言しても差し支えないだろう。この地では2年連続して5位タイ以上の成績を残しており、昨年大会はフィル・ミケルソンにプレーオフで敗れ、もう少しのところでタイトルを獲り逃した。
さらに25歳のトーマスは、昨年の第3ラウンドで「62」をマークしてチャプルテペクGCのコースレコードを保持。ここ2年間の同コースでの平均スコア「67.63」は最少平均スコアとなっている。さらにトーマスは2019年に出場した全大会で16位以上の成績を残しており、今週注目すべき選手の一人であることに間違いない。
脅威のフィナウ
2016年以降、トニー・フィナウはWGCの舞台で安定したパフォーマンスを発揮している。その間WGCでプレーした全16ラウンドの平均スコアを誰よりも低い「69.38」としており、「WGC HSBCチャンピオンズ」で2位に入るなど、2度のトップ10入りを果たしている。
昨年は「マスターズ」、「全英オープン」、「全米オープン」、そしてWGCの2大会でトップ10入りを果たしてエリート選手の一人であることを証明したフィナウは、世界最高峰の舞台での勝利へ着実に歩を進めている。
ハットンの“クリーンシート”
昨季、メキシコでプレーオフに1打及ばず僅差でWGC初制覇を逃したティレル・ハットンは、チャプルテペクGCである記録を保持している。
ここ2年間の「WGCメキシコ選手権」において、ハットンは全8ラウンドをプレーした選手の中で3パットをしていない唯一の選手なのである。今週もその記録を継続できるようであれば、ハットンは必ずや優勝争いに絡んでくることだろう。