世界ランク1位のダスティン・ジョンソンがメキシコで戴冠
欧州勢の追撃を振り切ったダスティン・ジョンソンが「WGCメキシコ選手権」を制覇し、世界ナンバーワンとして初めてトロフィーを掲げた。「全米オープン」王者のジョンソンは、最終日のチャプルテペクGCを「68」でラウンドし、通算14アンダーとして優勝を果たした。
1打差の2位にはイングランドのトミー・フリートウッドが入り、3位タイにはスペインのホン・ラームとイングランドのロス・フィッシャー。通算11アンダーの5位タイにはベルギーのトーマス・ピータースと首位で最終日を迎えたジャスティン・トーマスが入った。
これまで、イアン・ウーズナム、デビッド・デュバル、ビジェイ・シン、そしてアダム・スコットしか果たしていなかった世界ナンバーワンとなって初めて臨んだ大会での優勝を遂げたジョンソンは、世界ゴルフ選手権の通算勝利数を4勝に伸ばした。この数字を上回るのは、WGC通算18勝のタイガー・ウッズのみである。
「レース・トゥ・ドバイ」で首位を走るフリートウッドは、最終ホールで12メートルのバーディパットをねじ込み、最終日は「66」をマークしてキャリア最高額の賞金を稼ぎ出した。フィッシャーは9バーディの猛チャージで「65」をマーク。一方、一時はジョンソンをかわしてトップに立ったラームは、16番と17番(パー3)で連続ボギーを叩いて後退した。
2週間前に米ツアーの「ジェネシスオープン」を制して、世界ゴルフランキングで1位になったばかりのジョンソンは、この優勝によりその地位を守ることに成功した。「この地位にいるのはタフなことなので、この優勝の意味は大きい。大きなプレッシャーがかかっていたけれど、とてもいいプレーをすることができた」とジョンソン。
「今週はずっとショットが最高だった。パットがとても難しいグリーンで、最高のパットができたとは感じていないけれど、ショットは本当に良かったし、1打差で勝てたのだから、優勝するのに十分いいプレーはできたということなんじゃないかな」。
フロントナインを「31」とした32歳の「全米オープン」王者は、この時点で2位のピータースに4打差、そしてラームには5打差をつけており、そのまま優勝へ向けて悠々とクルージング体勢に入るかに見えた。
しかし、今週ヨーロピアンツアーのアフィリエイトメンバーとなり、「ライダーカップ」の出場資格を取得したラームは、11番(パー5)でイーグルを奪い、ジョンソンが12番と13番(パー3)で連続ボギーを叩いたことでその差を縮めることに成功した。
22歳のラームは14番で長いバーディパットを沈めると、15番(パー5)でもバーディを奪い、ルーキーシーズンでの2勝目へ向け、単独首位に躍り出た。
しかし、1組後ろで回るジョンソンも15番をバーディとしてラームに並ぶと、ラームが長いパットを残した16番と17番で立て続けに3パットのボギーを叩いたことで、ひと息つける展開となった。
18番ではフリートウッドがバーディを奪ってプレッシャーをかけるも、ジョンソンはフェアウェイバンカーの厄介なライから最高のショットでグリーンをとらえ、危なげなく2パットで優勝をたぐり寄せた。
好パフォーマンを見せたフリートウッドは、この結果、世界ランクをキャリア最高となる35位まで上げることとなり、ラームは25位に上昇する。首位と2打差で最終日を出たロリー・マキロイ(北アイルランド)は、この日全くチャージをかけることができず、2バーディ、2ボギーの「71」でこの日をラウンドし、7位タイで大会を終えた。