2014年 マスターズ

最年少か最年長か 最高の舞台が整ったマスターズ

2014/04/13 10:43
50歳のヒメネスにも依然としてチャンスあり。ジャック・ニクラスの最年長優勝記録へ挑む(David Cannon/Getty Images)

バッバ・ワトソンの低調なラウンドにより大混戦となった第78回「マスターズ」は、日曜の最終日に同大会の史上最年少優勝、あるいはメジャーにおける史上最年長優勝の瞬間を目撃することになるかもしれない。

パー5の2番でイーグルを奪い、一時は後続に5打差を付けていた前々回王者のワトソンだったが、その後は尻窄みとなった3日目を「75」でラウンド。通算5アンダーとして弱冠二十歳の同胞、ジョーダン・スピースと首位を分け合う格好となった。

まだ19歳だった2012年の12月にプロへ転向したばかりのスピースは、昨年7月の「ジョンディアクラシック」で1931年以降のPGA最年少優勝を果たした際はPGAツアーの特別臨時メンバーに過ぎなかった。

しかし、その後、年間最優秀新人選手となったスピースが、仮に最年少「マスターズ」王者に輝くことになれば、タイガー・ウッズの不在を埋めて余りある活躍となるばかりか、1979年にファジー・ゼラーが果たして以来となる「マスターズ」デビューでの勝利となる。

1997年に「マスターズ」史上最年少優勝を果たしウッズは当時21歳3ヶ月と15日だった。スピースは日曜日に20歳8ヶ月17日となる。「今日のラウンドは凄く自信に繋がるものだったし、ポジティブな要素が沢山あった」とスピース。「優勝争いに加わりたかったし、ただ優勝争いに加わるだけではなく、その中で自分が日曜にどのようなプレーができるのか見てみたかったんだ。だから明日になってみないと(自分の目標が果たせるか)分からないね」。

「今日は順位の変動が激しかった。我慢の一日で、明日できるだけ遅い時間のティタイムになるよう務めたのだけれど、その目標は達成できたね」。「明日はこのゴルフコースで、最近この大会で優勝した選手たちを相手に、どれだけ自分のゴルフや感情をコントロールできるかを見極める一日になる。彼らは僕のまだ経験していないことを経験済みなんだ。ただ、必ずしもそれが彼らにとって有利に働くとは思っていない。今の流れにとても自信を感じているし、明日が本当に楽しみなんだ」

来週にシニアツアーのデビュー戦が控えているミゲル・アンヘル・ヒメネスは、わずか1ストロークの差で予選通過ラインをクリアしたのだが、3日目は7バーディ、1ボギーの猛チャージで瞬く間にスコアボードを駆け上がった。

ヒメネスはヨーロピアンツアーでは、今年の1月5日に50歳の誕生日を迎える直前、12月に行われた「香港オープン」でタイトル防衛に成功。既に自身の持つ最年長優勝記録を更新している。もしこのスペインのベテランがグリーンジャケットに袖を通すことになると、彼は1968年の「全米プロ」でジュリアス・ボロスが48歳で打ち立てたメジャーでの最年長優勝記録を塗り替えることになるのである。

「それは大きな意味を持つことになるな」とヒメネス。彼は昨年、ミュアフィールドで開催された「全英オープン」では2日目を終えて首位に立っていた。「これまで多くの勝利を収めてきたが、私のキャリアにメジャーでの優勝を加えることができれば素晴らしいことになる。まさに花を添えるというやつだ」。

「50歳になったからと言って良いプレーができなくなるというわけではないのだよ。私はまだ動ける。私はまだ柔軟性を失っていない。飛距離だってこれまでより伸びている。まだ十分に戦えるんだ。チャンピオンズツアーやシニアの大会に重きを置きたくない。『全英シニアオープン』を除いてはね。とにかく『ライダーカップ』には出場したいからな」。

「重要なのは自分の人生でやりたいと思うことができて、完全にそれを楽しむことなんだ。ツアーでは26年目になるが、それは長い年月だ、身体がきついだろう、と言う人もいるだろう。しかしそれは違う。好きなことをやっているわけだし、できることならあと25年間同じコンディションを保ちたいくらいだ。自分自身に飽きるということはないのだよ」。

2014年 マスターズ