ミドルパットで勝機をつかむ コルホネンが中国で戴冠
ベンジャミン・エベールとのプレーオフを制したミッコ・コルホネンが「ボルボ中国オープン」を制覇し、欧州ツアー2勝目を挙げた。
フィンランドのベテランはホルヘ・カンピージョとともに首位のエベールと3打差で日曜を迎えると、ゲンゾンGCでの最終日は最終組に入ったこの3人が劇的なバトルを繰り広げた。
コルホネンとエベールは72ホールを通算20アンダーで終えたのに対し、カンピージョはこれに1打及ばず、18番で行われたプレーオフ1ホール目で3.3mのバーディパットを沈めた38歳のコルホネンがトロフィーとゴールデンジャケットを手に入れた。
昨季「ショットクロックマスターズ」を制覇したコルホネンは、これで2季連続優勝を果たし、世界ゴルフランキングのトップ100圏内に浮上した。
「素晴らしい心持ちだね。自分がどうやってこれをやり遂げたのか分からないけれど、今週、自分にとって勝利の方程式は恐らくパターだったと思う。今週、僕は4.5から6m以上のパットをたくさん決めた。ゴルフのトーナメントで勝つのが簡単なことは決してない。皆がパットを決めるなか、1日中バトルとなったし、僕も辛抱強くプレーして、同じようにパットを決めなければならなかった。2勝目を挙げることができて最高だし、とても嬉しい」。
欧州下部のチャレンジツアーでは6勝しているエベールだが、初優勝を狙う欧州ツアーでは昨季、決勝で敗れた「ベルギーノックアウト」以来となる2度目の惜敗となった。
「自分のプレー振りを振り返ると、満足している」とエベール。「ミッコは今日最高のプレーをしたし、ミスをすることなく良いパットをした。僕は依然として初優勝を目指している。今週は惜しいところまで行ったけれど、今後はもっと安定感を出さないといけないし、それからどうなるかだね」。
先週の「ハッサンIIトロフィー」でツアー初優勝を遂げるなど、今大会を含む直近の6大会中5大会でトップ3入りを果たしたカンピージョは、これで「レース・トゥ・ドバイ」ランキングを2位に上げた。
カンピージョが2連続バーディ発進するなか、コルホネンは1番で右から左に曲がる長いバーディパットを沈めるも、エベールもパー5の2番でスコアを伸ばし、2打差で単独首位の座を維持した。
4番では難しいライにはまったカンピージョがスコアを落とし、エベールはリードを3打差に広げるも、続く5番でスコアが大きく動いた。1番同様、コルホネンが長いバーディパットを沈めると、カンピージョも4.5mを沈めてこれに続いたのに対し、エベールがこの日最初のボギーを叩いたことで、リードは1打差に縮まった。
コルホネンは続く6番でも3mをねじ込んで首位タイに浮上するも、グリーンを外したパー3の8番でボギーを叩き、通算16アンダーに後退した。エベールは9番で第2打を大きく右に曲げるも、ボールは木に当たって良い方向へ跳ね返り、寄せワンでバーディを奪うと、カンピージョもこのホールをバーディとした。
カンピージョは10番と11番でそれぞれ5m前後のバーディパットを沈め、3ホール連続バーディとすると、同じ2ホールで更に内側につけたコルホネンも2連続バーディで食らいついた。
パー3の12番ではティショットをピンまで2.4mにつけたカンピージョがリードを2打差に広げるも、パー5の13番で共にレイアップしたエベールとコルホネンがバーディを奪ったのに対し、カンピージョが14番をボギーとしたことで、首位は三つ巴となった。
15番では揃ってティショットをミスしたカンピージョとエベールが短いパーパットを外すも、両名ともに素晴らしいティショットを見せたパー3の16番をバーディとしたため、コルホネンの単独首位は長続きしなかった。
最終組の3人がパー5の17番のフェアウェイに達したところで強い雨が降り始め、同ホールでは3人揃ってレイアップするなか、4.2mのバーディパットをねじ込んだコルホネンが1打差のリードで最終ホールを迎える展開となった。
ティが前に出されたパー4の18番では、カンピージョとコルホネンがパーとしたのに対し、ティショットでドライバーを握ったエベールはワンオンに成功してバーディを奪い、勝負をプレーオフへと持ち込んだ。
地元期待の李昊桐は上がり2ホールで連続バーディを決めて「66」をマークし、通算16アンダーで単独4位に入った。その1打後方の5位タイには同じく中国の呉阿順、ロマン・ランガスクと今週の最少スコアタイとなる「64」をマークしたミシェル・ロレンゾベラのフランス人コンビ、米国のデービッド・リプスキー、そしてイングランドのジョーダン・スミスが入った。