「アブダビHSBC選手権」で知っておくべき5つのこと
欧州ツアーは今週で12月以来の冬期中断期間が明ける。再開初戦であり、今季の「ロレックスシリーズ」第1戦でもある「アブダビHSBC選手権」について知っておくべき5つの重要事項は次の通りである。
ロレックスシリーズ再び
8大会で構成される高額イベント「ロレックスシリーズ」が、今季も幕を開ける。「アブダビHSBC選手権」は、2006年から欧州ツアーのスケジュールに組み込まれてきたが、今季から「ロレックスシリーズ」へと格上げされた。昨季、「BMW PGA選手権」と「全英オープン」を制覇したフランチェスコ・モリナリは、イタリア人初の「レース・トゥ・ドバイ」制覇を果たした。今大会ではトータル7000ポイントが設定されており、シーズン序盤のスタートダッシュを決める絶好の機会となる。
快挙達成へ王手
メジャー2勝を誇り、かつての世界ランキング1位でもあるマルティン・カイマーは、さらなる快挙達成に王手をかけている。ドイツの名手は、これまで「アブダビHSBC選手権」を3度制覇しており、今週で大会4勝目となれば、欧州ツアーの同一大会で4勝以上した錚々たる面々の仲間入りを果たすことになる。
これまで、タイガー・ウッズ(「WGCブリヂストンインビテーショナル」8勝、「WGCキャデラック選手権」7勝、「マスターズ」4勝、「全米プロゴルフ選手権」4勝)、トム・ワトソン(「全英オープン」5勝)、ベルンハルト・ランガー(「ドイツオープン」5勝、「ドイツマスターズ」4勝)、セベ・バレステロス(「フランスオープン」4勝)、サー・ニック・ファルド(「PGA選手権」4勝)、マーク・マクナルティ(「ドイツオープン」4勝)、ミゲル・アンヘル・ヒメネス(「香港オープン」4勝)そしてシャール・シュワルツェル(「アルフレッド・ダンヒル選手権」4勝)がこの快挙を達成している。
4人の元世界ナンバーワンが出場
今週は世界ナンバーワンに上り詰めた経験を持つ4人の選手が出場する。先週、ジャスティン・ローズにその座を奪われたブルックス・ケプカはその一人であり、米国の同胞で同じく元世界ナンバーワンであるダスティン・ジョンソンもアラブ首長国連邦へと渡り、「ロレックスシリーズ」開幕戦でプレーする。2011年の2月から4月にかけて世界ナンバーワンに君臨したカイマーは13回目の大会出場。2010年10月から2011年5月にかけて22週間にわたり世界ナンバーワンに君臨したイングランドのリー・ウェストウッドもフィールドに名を連ねている。
14度目の正直?
ヘンリック・ステンソンはこれまで「アブダビHSBC選手権」に13回出場する“皆勤賞”を果たしており、2位に2度入っているが優勝はない。大会初年度の2006年に、わずか3ラウンド目にしてコースレコードの「62」をたたき出し、クリス・ディマルコに次ぐ2位に入った。翌年8位に入ると、カイマーが優勝した2008年大会で再び4打差の2位。「全英オープン」を制覇した2016年は3位で、ここ2年は続けて8位に入っている。「DPワールドツアー選手権」で2勝、そして「ドバイデザートクラシック」で1勝と、近隣のドバイで計3勝を挙げているステンソンは、アラブ首長国連邦での勝ち方を知っているだけに、アブダビでの勝利が待たれるところである。
砂漠の連戦
「アブダビHSBC選手権」は、欧州ツアーのシーズン序盤にある砂漠の連戦“デザートスイング”の初戦でもある。アブダビでの「ロレックスシリーズ」第1戦を経て、次週はドバイで開催される「オメガドバイデザートクラシック」。さらにその翌週は、デザートスイングの締めくくりとして、欧州ツアー史上初のサウジアラビア開催となる「サウジインターナショナル」が控えている。