「アブダビHSBC選手権」で知っておくべき5つのこと
「アブダビHSBC選手権」はシーズン序盤にドラマを提供することで、年を追うごとに世界最高の選手が集まる大会という評価を高めてきた。以下は、今週の中東で気にかけておくべき5つのストーリーラインである。
1. フリートウッド黄金の1年
昨年はスタートからゴールまで、トミー・フリートウッドが話題の中心にいた。アブダビを迎えるまでの14大会中10大会でトップ20入りするなど好調だったフリートウッドは、2017年の初戦でいきなり自身のゴルフをさらに超一級レベルへと押し上げた。
イングランドのフリートウッドは、3年間優勝から遠ざかっていたが、メジャー王者のダスティン・ジョンソンやアブダビのスペシャリスト、マルティン・カイマーらに競り勝ち、1打差で勝利を挙げて勝者の輪に帰ってきたのである。
それから12カ月が経ち、26歳のフリートウッドは「レース・トゥ・ドバイ」王者として、大会3勝のカイマーに続く2人目のアブダビ連覇を目指し、大会に出場する。
2. ロックDJ
ジョンソンも昨年、アブダビを盛り上げた一人だった。欧州ツアーのレギュラー大会に10度目の出場を果たした2016年の「全米オープン」王者は、砂漠で専制的なパフォーマンスを見せることで、なぜ今自身が世界ナンバーワンであるのかを証明した。
初日をイーブンパーの「72」でラウンドしたジョンソンは、2日目に「68」をマークしてリーダーボードを駆け上がると、ムービングデーにはその週の最少スコアタイとなる「64」をたたき出した。
最終日こそ、アメリカの飛ばし屋はフリートウッドのペースについて行くことができなかったが、2週間前に米PGAツアー通算17勝目を挙げているだけに、今週は自信とともにアブダビを再訪することになるだろう。
3. ロリーの復帰
フリートウッドとジョンソンにとって昨季は飛躍の1年となったが、ロリー・マキロイにとって2017年は難しい年だったと言っても差しつかえないだろう。
「全英オープン」で4位タイ、そして「マスターズ」で7位タイに入るなど、時おり印象的なプレーは見せたものの、北アイルランドのマキロイは10月中旬に怪我により競技から離れることを強いられてしまった。
心機一転、再生を誓うメジャー4勝のマキロイは、2015年にキャリア唯一のホールインワンを達成し、過去4度2位に入るなど、過去に多くの良い思い出を持つアブダビGCで復帰を遂げる。
4. アブダビの王・カイマー
カイマーはアブダビを愛している。彼はこの中東の大会に11回出場し、優勝3回に加え、その他にも3度のトップ5入りを果たし、その通算スコアは127アンダーに達する。
アブダビはカイマーが欧州ツアー初優勝を遂げた地でもある。2008年に23歳24日でツアー初優勝を果たしたカイマーは、ベルンハルト・ランガーの記録を14日更新し、ドイツ人最年少優勝者となった。
2011年、8打差で大会を制覇したカイマーは、さらに記録を打ち立てた。アブダビで初の大会連覇を遂げたことに加え、カイマーはシーズン初出場の大会で3勝を挙げた初の選手となった(2008年、2010年、そして2011年に全てアブダビで優勝)。
簡単に言うと、この大会でカイマーを無視することはできないということだ。
5. ステンソンは13度目の正直?
ヘンリック・ステンソンはドバイで3回、そしてカタールで1回と、これまで中東では4勝を挙げているが、アブダビでは他がうらやむような成績を残しているものの、これまで最後の一線を越えられていない。
ステンソンはこの大会過去12回全てに出場し、2位を2度(2006年と2008年)、そして3位タイを1度(2016年)記録している。また、スウェーデンのステンソンが第1回大会となった2006年の第3ラウンドにマークした「62」は、いまだにアブダビGCのコースレコードとなっている。
13という数字は、他の人にとっては不幸を意味するかもしれないが、ステンソンにとってはアブダビでの13度目の正直を意味する数字になるかもしれない。