スペインで注目の3人
ヨーロピアンツアーは先週の「イタリアオープン」から、今週は「アンダルシアバルデラママスターズbyセルヒオ・ガルシアファウンデーション」の開催されるレアルクラブバルデラマへ一路西へと移動する。今週は選手たちにとって来季のシード権が与えられる「レース・トゥ・ドバイ」ランキング100位以内を確定させる最後のチャンスであり、緊張感の張りつめた瞬間と興味を引くストーリー展開が約束されている。また、母国凱旋となる「マスターズ」王者のセルヒオ・ガルシアと「アイルランドオープン」王者のジョン・ラームは、地元ギャラリーを前に母国制覇を狙っている。
今回、データの達人は次の3人を南スペインの難コースで勇躍するであろう注目選手として選出した。
本命:セルヒオ・ガルシア
レアルクラブバルデラマで刻んできたセルヒオ・ガルシアの歴史は、彼が今週の優勝候補であると自信を持って推せる根拠となっている。現「マスターズ」王者は、2011年にこの大会を制覇するなど、このソトグランデのコースでこれまで10回トップ10入りを記録している。バルデラマの容赦ない本質を考慮すると、これまで48ラウンドで通算7アンダーというガルシアの全体的なスコアは、その響きよりもはるかにすばらしいものである。バルデラマで開催された直近の3大会でイーブンパーかそれ以下の通算スコアを記録したのはわずか14人のみであり、6年前に優勝したガルシアもその一人である。
今週はパーセーブが大きな鍵を握るが、これはスクランブル率66パーセントで今季同カテゴリー2位につけるガルシアにとって朗報である。ガルシアは先週の「イタリアオープン」で4アンダーのラウンドをマークするなど、通算12アンダーで大会を終えており、自信を胸に母国へと帰って来る。
対抗:ニノ・ベルタシオ
先週のモンツァでは地元の安らぎがニノ・ベルタシオにとって大きな励みとなったが、そもそも彼は好調の波に乗っている。先週の「イタリアオープン」で10位タイに入るなど、ベルタシオは直近の4大会中3大会でトップ15入りを果たしており、シーズンの重要な時期に「レース・トゥ・ドバイ」でトップ100圏内に食い込むことに成功した。
「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」で15位タイ、「ポルトガルマスターズ」で12位に入ったことにより、29歳のベルタシオは必ずしも今週のバルデラマで大きな成果を上げる必要はなくなった。目下「レース・トゥ・ドバイ」で86位につけるバルデラマは、幾分リラックスして今大会を迎えることができるので、このところの好調振りを発揮しやすいとみられる。ベルタシオはバルデラマ開催となった昨年の「スペインオープン」で11位タイに入っており、見事なコースデビューを遂げた。ニノが引き続き良い1週間を送る材料は整っている。
穴:アレハンドロ・カニサレス
今年はアレハンドロ・カニサレスにとって一筋縄ではいかなかったが、今週ようやく彼が自身の運気を変えるであろうと予想するには、それなりの理由がある。カニサレスはこれまでバルデラマで開催された大会に3回出場し、何れもトップ21圏内でフィニッシュしている。70切りが12ラウンドしかなかった2016年の「スペインオープン」で、カニサレスは初日に「67」をマークし、11位タイで大会を終えている。また、かつての「ライダーカップ」出場選手であるホセ・マリア・カニサレスを父に持つ彼は、2011年にバルデラマで開催された「アンダルシアマスターズ」で7位タイに入っている。
34歳の彼は、今季サンドセーブ率(75.5パーセント)でツアー首位に立っているが、この技量はタフで有名なこのコースでは必須事項である。また、先週の「イタリアオープン」でのトップ15入りが、今週の母国開催へ向け、自信となっているのは想像に難くない。今週は勝手知ったるコースであるだけに、イタリアでの好成績は彼がバルデラマで力強いパフォーマンスを見せる上での起爆剤となるだろう。