大逆転でシームを下したオタエギがドイツでツアー初優勝
決勝で見事なカムバックを見せたアドリアン・オタエギが2&1でマルセル・シームを下し、「サルタイアエナジー ポール・ローリーマッチプレー」を制覇してヨーロピアンツアー初優勝を遂げた。
3アップでハーフターンしたシームは、残り5ホールで2アップと優位に立った。だが、オタエギが14番をパーで獲ると、その後3連続バーディで3ホールを奪取し、ツアー出場123戦目で初優勝を果たした。
直近4試合で連続トップ20入りを果たしていたスペインのオタエギは、1回戦からの5試合を完勝し、5試合通算で31バーディ、1イーグルの28アンダーと絶好調のまま決勝を迎えた。
決勝ではフロントナインを9連続パーとし、1番、4番、そして8番でバーディを奪ったシームに先行を許すも、後半もノーボギーを保ったまま5つのバーディを奪い、上がり4ホールを連取するなど、8ホール中6ホールを獲って勝利をたぐり寄せた。
「ここでヨーロピアンツアー初優勝を遂げられたのはとても特別なこと。非常に嬉しいよ。9ホールを終えて3ダウンとしながらも、あのバックナインのプレーができた。いいゴルフをプレーしたね」とオタエギ。
「確かに、マルセルは幾つかミスショットをしたけれど、僕はとても集中していた。自分でもできると思っていたし、あの終盤のプレーで今週を完璧に締め括ることができたね」。
「1週間を通して良いプレーができた。皆と同じように、幾つかミスはしたけれどね。でも、1週間を通してソリッドにプレーし、トロフィーを獲得することができた」。
「これは大きな相乗効果になるね。自信が得られたし、良い戦いができると分かったから」。
オタエギによる今大会の勝利は、スペイン勢にとって今季6勝目となった。一方、「レース・トゥ・ドバイ」を125位として木曜にベッケバウアーコースでティアップしたシームにとって、今季自己ベストの2位はシーズン後半へ向け大きな一歩となった。
1番でピン側2.4メートルにつけたシームは、1アップとするバーディパットを決めると、ホールを指差した。2番と3番は両者共にパーとすると、パー3の4番ではティショットを4.5メートルにつけたシームがバーディパットを沈め、2アップとしてガッツポーツを決めた。
パー5の8番では、レイアップしたシームが3打目をOKバーディの距離につけたのに対し、ティショットを曲げ、2打目が木々に遮られたオタエギはこのホールをパーとした。しかし、オタエギは2オンに成功したパー5の10番で今週6つ目のバーディを奪って応戦。シームはこのホールをパーとしたため、差は2ホールに縮まった。
11番は、ティショットをミスしたシームが2オンを逃すなか、着実にパーを拾ったオタエギが奪うと、パー5の12番は、シームが2.4メートルのイーグルパットを外したことにより、両者バーディとしてホールを分け合った。37歳のシームは、2打目をピン側60センチにつけた13番を獲って再び2アップとするも、続く14番では短いパーパットを外し、オタエギに肉薄を許した。
すると、15番ではオタエギがタップインバーディでホールを奪い、残り3ホールで勝負は振り出しに戻ることとなった。24歳のオタエギはティショットでグリーンをオーバーしたパー4の16番を奪って先行すると、17番では7.5メートルのバーディパットをねじ込み、勝利を確定させた。
3位決定戦では、3イーグルを奪ったスウェーデンのヨハン・カールソンが3&2でアレハンドロ・カニサレスを下した。
カールソンはイーグルを奪った3番、そしてパーとした4番を獲って2アップとするも、スペインのカニサレスはパーとした6番と7番、そしてバーディを奪った9番を獲り、ハーフターンで逆転に成功した。しかし、後半に入って盛り返したカールソンは、パー5の12番でイーグルを奪うと、14番と15番で連続バーディを奪って主導権を奪い返し、シームとの準決勝でもイーグルを奪った16番で再びイーグルを奪って勝負を決めた。