ケネマーでの快挙達成を狙う地元の英雄ルイテン
ジュースト・ルイテンは今週の「KLMオープン」にて、近代ゴルフではオランダ人として初の同大会2勝目を狙っている。
「ライダーカップ」出場をギリギリのところで逃したルイテンは、今週ケネマーG&CCにてもう一つの快挙達成を狙っている。これまでオランダ人選手の果たしたことのないヨーロピアンツアーのタイトル防衛を目指しているのである。
ルイテンは出場した直近の大会である2週間前のイタリアではトップ5入りを果たすなど好調を維持しており、1年前に劇的な形で勝ち取ったトロフィーの防衛へ向け大いなる希望を抱いている。
昨年の大会では最終日を1打差の首位で迎えたルイテンは、序盤のバーディラッシュで猛チャージをかけたミゲル・アンヘル・ヒメネスにリードを奪われるも、その後は果敢な盛り返しを見せてヒメネスを捕らえてプレーオフへ持ち越すと、プレーオフ1ホール目をパーとして勝利を飾ったのである。
この勝利は、2003年のマーテン・ラフィーバー以来、地元勢による勝利を待ち望んでいたオランダのギャラリーを大いに沸かせた。
この大会で勝利を飾ったその他のオランダ人選手はゲリー・デル・コート・ファン・クリンペン(1915年)、ジョープ・レル(1947年)、ディルク・ウースターバー(1919年)とその兄弟のヤコブのみであり、これまでのところ1917年と1930年にこの大会で勝利したヤコブ・ウースターバーのみが母国の大会で2勝した唯一の選手となっている。
ヨーロピアンツアー3勝のルイテンはその勝利数を伸ばすべく、1977年と78年にこの大会を連覇したボブ・バイマンの足跡を辿ることになる。尚、「KLMオープン」が1972年にヨーロピアンツアーの国際スケジュールに組み込まれて以来、この大会で連覇を達成したのはバイマンのみである。
「母国での勝利は特別なものだったし、キャリアの早い段階でそれが果たせたのは夢のようだった」とルイテン。
「だからディフェンディングチャンピオンとして戻ってくるのは誇らしいし、地元の歓声の前でプレーするのが待ち切れないよ。昨年の彼らの応援は信じられないほど素晴らしかったからね」。
「僕にとってこの大会は完全に5つ目のメジャーなんだ。オランダのゴルフ界にとってもオランダ人による勝利は素晴らしいものだったし、この国でのゴルフの発展が正しい方向へ向かっていることを示せたからね」。
「この大会へ臨むにあたって、イタリアで好成績を残せたのが良かった。今年はそこまで本調子じゃなくても何度か優勝争いに加わることができたから、今週はパフォーマンス通りの成績を収める上では格好の場となる。ベストを尽くして優勝を狙いに行くよ」。
一方、ルイテンの同胞のロバート・ヤン・デルクセンは20回目にして最後の「KLMオープン」を迎えることになる。
今年始めに今季限りの引退を表明した40歳のデルクセンにとって、最後となる母国の大会で同大会初優勝を飾ることができればこの上ない幕引きとなることだろう。尚、彼のこの大会における最高成績は2011年の11位タイとなっている。
「この大会はアマチュアとして3回出場しており、プロとしては17度目の出場になる。毎年特別な大会となってきたけれど、今年は最後の出場になるから更に特別なものとなるね。母国の大会ではいつだって良い成績を収めたいものだけど、今年はこれまで以上にハードに挑戦するよ、何といっても最後のチャンスだから」とデルクセン。
「この大会は一番勝ちたいと思ってきた大会だけど、勿論この大会では余分にプレッシャーが掛かるし、余分に思いも募るから、簡単ではないね。最後の出場で優勝が達成できればまるでお伽噺だ。今週はお伽噺が現実のものとなるよう願っているよ」。
2013年の「レース・トゥ・ドバイ」を180位で終えたラフィーバーは、今季は戦いの舞台をチャレンジツアーに移しているが、今週はヨーロピアンツアーへ戻り母国にて最盛期のパフォーマンスを披露することを目標としている。
外国勢の一人、サイモン・ダイソンは3年間にわたる未勝利に終止符を打つべく、多くの成功を収めてきた大会に臨む。
ダイソンのヨーロピアンツアー6勝のうち3勝は「KLMオープン」でのものであり、もし彼がこの大会で勝利を重ねることができれば、ダイソンはこの大会が1972年にヨーロピアンツアーに組み込まれて以来、初めて4勝を挙げた選手になると共に、ヨーロピアンツアーの単一の大会で4勝以上した7人目の選手となる。
スウェーデンのヨナス・ブリクストはダイソンの歴史的快挙達成の阻止を狙う有力選手の一人であり、彼は「全米プロゴルフ選手権」以来となるヨーロピアンツアー復帰を果たすことになる。