2014年 イタリアオープン

「ライダーカップ」の作戦開始日に備えるマギンリー主将

2014/08/27 09:37
チーム決定へマギンリー主将に決断の時が迫る(Getty Images)※14年1月「アブダビHSBCゴルフ選手権」で撮影

グレンイーグルスでの「ライダーカップ」に臨むポール・マギンリー率いる欧州代表チーム入りを懸けたレースが、52週間という月日と何千時間というゴルフを経て、今週の「イタリアオープン」で大団円を迎える。

ヨーロッパポイントリストから4人、そして世界ポイントリストから5人と、9人の自動選出選手が日曜日の夜に決定するとあって、マギンリー主将も「ライダーカップ」の作戦開始日がもうすぐそこまで迫ってきていることを承知している。

「これは『ライダーカップ』への選出へ向けたファイナルラップであり、この大会は世界ポイントの方で貢献することができる」とアイルランドのマッギンリー。長い間悩まされた肩の怪我が癒えた彼は、今週、この大会に出場するため、既にチルコロゴルフ・トリノに会場入りしている。

ここではスティーブン・ギャラハーが衆目を集めることになるだろう。スコットランド出身の彼は、グレーム・マクドウェルをかわして最後の自動選出枠に滑り込むために、ここでトップ2入りを果たす必要がある。しかし、ジュースト・ルイテンやフランチェスコ・モリナリといった選手たちも、この最終週でワイルドカードの選択肢を比較検討するマッギンリーの印象に残るプレーをしたいと願っていることだろう。

1年前のケルティックマナーリゾートで開催された「ISPSハンダ・ウェールズオープン」で号砲が鳴ったこの代表選出レースは、長きにわたったその過程の中で、ゴルフ界の華ともいえる選手たちが頂点を極める場面を演出してきた。

9月2日の火曜日に、マギンリーは9月26日から28日にかけて米国代表と覇を競うスカッド12人について最終決定を下す。47歳の彼はこの日、ウェントワースクラブのボールルームで3人のキャプテンピックを発表するのである。

「自動選出の9人がどのように決まるかによってキャプテンピックの行方も大きく左右されることになると思う」とキャプテンを務めるマギンリー。

「しかし、多くの選手が好調なのが重要なことだ。これは選出の過程により生み出された状況だと思うがね。これにより、世界を股にかけ12ヶ月間にわたって戦ってきた欧州選手の上位9人が明らかになるわけで、あとは私と副キャプテンとでパズルを完成させるだけだ」。もちろん、大いなる力には大いなる責任が伴うと言われるように、実際のところマギンリーは、9月2日を形作る諸相の幾つかは、キャプテンとしての任務の中でもとりわけ難題であると認識している。

「『ライダーカップ』のキャプテンの仕事には、良い部分と悪い部分がある」と続けたマギンリー。「そして、誰もが選手に選出結果を伝えるのがいかに難しいか口を揃えており、特に自分の友人たちに落選したことを告げるのは辛いだろうと思う」。

「それが難しいことなのは、私も弁えている。ただ、私は選手たちに正直に接してきたし、彼らは彼らの置かれた立場を分かっている。私はどのようにキャプテンピックを決めるのかオープンかつ率直であろうと心掛けてきた。あとはそれなりのパフォーマンスや選ばれるだけの理由を私に見せられるか、それは選手次第だ」。

19ヶ月前にキャプテンに任命されて以来、この几帳面なアイルランド人は世界中を駆け巡り、戦績表、スタッツ、そして「ライダーカップ」の歴史書といった書物を探究してきたが、そうした準備期間はそろそろ終わりを迎えようとしている。

グレンイーグルスで最初の1打が放たれるまで4週間あまりとなり、今週の大会、そして来週のワイルドカードの発表は、彼のこれまでの何百時間にも及ぶハードワークの集大成となる。

「ひとたびキャプテンピックが決まれば、それはキャプテンシーという点から非常に重要な道しるべになるだろう」とマギンリー。「そして12人の選手が決まったところで、私は戦術や戦略といったことをもっとシリアスに考えられるようになるのだ。選手たちとは、これまでよりもっと個人レベルでコミュニケーションをとれるようになる」。

「これまでは包括的な仕事に従事していたが、9月2日以降はこの仕事の核心に入っていく。練習ラウンドはどのようにするのか、そしてどういう組み合わせが良いのか、そういったことに考えを巡らせる。腕が鳴るね」。

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