クッツェーが悲願のヨーロピアンツアー初優勝
これまで24回のトップ10入りを経験しながらも優勝には手の届かなかったジョージ・クッツェー(南アフリカ)が、ついに「ヨハネスブルグオープン」で悲願のヨーロピアンツアー初優勝を果たした。
大会最終日を「66」でラウンドした27歳のクッツェーは通算19アンダーまでスコアを伸ばし、同胞のジャスティス・ウォルターズ、イングランドのティレル・ハットン、そして韓国のジョン・ジンに3打差をつけて勝利を飾った。
3名に与えられる「全英オープン」の出場権に関しては、2位タイで並んだ3名のうち残念ながらハットンがロイヤル・リヴァプール行きのチケットをもらい損ねることになった。これは彼の276位という公式世界ゴルフランキングがジョンとウォルターズのそれを下回っていた為である。
「何とも言えない気持ちだ」と、107戦目の挑戦にしてようやく初勝利を掴んだクッツェーは語った。「言葉にならないよ」。
「これを長い間待ち望んでいたし、疑い始めてもいたので、すごくハッピーだね」。
「この勝利は僕の家族や友人たちと分かち合いたい。昨日は母親の誕生日だったのだけれど、プレゼントを買い忘れてしまっていたので、彼女の為にも優勝したかったんだ」。
これでクッツェーは8回目の開催となるこの大会を制した6人目の南アフリカ人選手となったわけだが、最終日が始まった時点では、2打差の首位に立っていた同胞のトーマス・エイケンとウォルターズに、その南アフリカ勢の席巻を継続する上で、分があるように見えた。
クッツェーは前半3ホールあるパー5全てでバーディを奪い、パー4の4番では3メートルのバーディパットを沈めるなどして、「33」でこの日のラウンドを折り返すと、10番で2メートル弱のバーディパットを決め、今週初めて首位に立った。
その後、世界74位のクッツェーは11番ではラフから、続く12番ではバンカーからのパーセーブに成功し、15番では勝負の行方を決定付けることになった運に恵まれた。
クッツェーはティショットのドライバーをクリークの方向に打ち込んでしまったのだが、幸運にもボールは木に当たってフェアウェイへと跳ね返り、2オンに成功すると、6メートルのパットを沈め、このホールでラッキーなバーディを奪うことに成功したのである。
しかし、終盤の3ホールをパーとしたことによりクッツェーは気を揉む待機を強いられることに。最終組のウォルターズが2オン可能なパー5の最終ホールで、イーグルを奪えば勝負をプレーオフに持ち込むことができる状況でやって来たのである。しかし、ウォルターズはティショットをバンカーへ入れてしまい、結局このホールをボギーとした為、優勝賞金206,050ユーロの小切手はクッツェーへと渡ることになった。
最終日を「73」でラウンドしたヨハネスブルグ出身のウォルターズは、ヨーロピアンツアー初優勝こそお預けにはなったものの、7月のホイレーク(ロイヤル・リヴァプールの所在地)では33歳にして初のメジャー出場を果たすことになった。
「週の初めに2位にしてくれると言われたら、喜んで2位になっていただろうけれど、この状況での2位にはちょっとがっかりしている」とウォルターズ。
「悲喜こもごもというやつだね。これで全英の出場権を得ることができたのだから。子供のころから夢見ていた憧れのメジャーの舞台だよ」。
2013年末にパースで優勝したジョンは最終日を「71」でラウンドし、2010年に14位タイと健闘を見せた全英再訪の権利を獲得した。一方、ハットンは最終日を「66」でラウンドし、ヨーロピアンツアー自己最高位で大会を終えた。