異なる試練に直面するスターンとフィッシャー・ジュニア
5打差のトップとしてヨハネスブルグオープンの最終日を迎えることになったリチャード・スターンとトレバー・フィッシャー・ジュニアは、置かれた互いの状況に対照的な経験を重ね合わせることになる。
南アフリカ出身の2人は、ロイヤルヨハネスブルグ&ケンジントンゴルフクラブでの3日目の舞台で競い合い、幾度となく首位の座が入れ替わる死闘を演じた。最終ホールでは2選手ともにバーディを奪い、通算19アンダーとして3位に入った4選手との差を広げた。その4人の中には過去に2度優勝経験のあるチャール・シュワルツェルも含まれている。
ボギーを一度も叩かなかったシュワルツェルは、スターンやフィッシャーと同じ「68」で3日目をラウンドした。2011年のマスターズ王者は最終パー5でスコアボード付近に打ち込んでしまうトラブルに陥るが、そこからのアプローチで挽回しパーをセーブした。出場した直近の2試合で優勝したシュワルツェル。その2試合における最終的な後続との差を合わせると23打にもなる。彼はこの日、アップダウンを最小限に抑え、最後のパーセーブで、フェリペ・アギュラー、ジャコ・バン・ジル、そして終盤の3ホールで立て続けにバーディを奪って一日の鬱憤を晴らしたでジョージ・クッツェーと並ぶ3位の座を確保した。
スターンが最後にヨーロピアンツアーで優勝したのは2008年12月のことだが、彼はこの大会の勝ち方を十分に心得ている。2位となった先週日曜日のオメガドバイデザートクラシックでも優勝争いの中心にいた31歳は、「2週間連続ということで、とても消耗しますが、集団に埋もれているより、この位置の方が良い。この状況でラウンドすると心臓がバクバクしますから」と語った。
フィッシャー・ジュニアは昨年度のサンシャインツアーで3度優勝を飾り、同ツアーでの優勝回数を7回としたが、この地で優勝を遂げることができれば、それは飛躍的な成功を意味することになる。彼のヨーロピアンツアーに於ける最高順位は、昨年1月に開催されたこの大会で記録した3位である。そう考えると、彼がこの3日目の所々でちょっとした不安を抱いた事は驚きではない。「少し緊張するんです」。「リードしているのを考えない様にしているのですが、やっぱり意識してしまいます」と彼は説明した。「スイングが過敏になってしまい、トップでも間を持たすことができず、何度か悪いショットが出ました。でも幾つかバーディを奪い、何とか立て直すことができました。全ては感覚ですね、そしてできるだけ落ち着いたプレーを心掛けることです」
彼の緊張からくる不安はともかく、フィッシャー・ジュニアは3日目を迎えるにあたり、スターンと並ぶ15アンダーで、その下のクッツェーとは3打の差をつけトップに立っていた。本日をトップで迎えた2選手は共に最初のホールでバーディ、更にスターンは6番、7番でバーディを奪い、一時は一緒にラウンドをしていたフッシャーを追い越したが、フッシャーはアウトの上がり3ホールでバーディを獲って、応戦した。
その後、連続ボギーを叩いてしまったフッシャーは、11番でバーディを奪ったスターンに先行を許したが、続けざまに2つのバーディを奪って挽回に成功。そして2選手共に15番ホールをボギーとし、18番ロングホールでは共にバーディを奪って一日を終えた。
最終組で激しい戦いが繰り広げられた一方、2010年と2011年の大会覇者であるシュワルツェルは1番、8番、12番そして15番でバーディを奪い優勝争いに絡んできそうな気配を漂わせている。アギュラーは3日目を「68」で回ったもう一人の選手であり、バン・ジルは「67」でラウンド。3日目にこの数字を上回ったのは、それぞれ「65」と「66」でラウンドし、通算12アンダーで8位に付けたガース・マルロイとトーマス・エイケンのみである。