欧州男子ツアー

「全英オープン」の注目選手

2021/07/14 19:00
2019年の全英オープンで優勝を果たしたシェーン・ローリー(写真は同大会最終日)

ヨーロピアンツアーの「レース・トゥ・ドバイ」はイングランドに戦いの舞台を移し、今週は「全英オープン」が開催される。

昨年の大会延期を経て、シェーン・ローリーは待ちに待ったクラレットジャグの防衛戦に挑むが、今大会の注目選手は誰か?スカイスポーツのプレゼンターであるキット・アレキサンダー、そしてかつてレディースヨーロピアンツアーで選手やコーチとして活躍し、プレゼンターでもあるソフィー・ウォーカーの両氏が、それぞれ次の3選手を優勝予想に挙げた。

キット・アレキサンダーの予想

歴代覇者のウーストハイゼン※写真は2019年「南アフリカオープン」(Stuart Franklin/Getty Images)

ルイ・ウーストハイゼン

この南アフリカ人選手は直近のメジャー2大会で連続して2位に入っており、2010年にはセントアンドリュースでの「全英オープン」を制している。以降、全英での成績は悲喜こもごもとなっており、予選落ちを2度喫したものの、2015年には2位タイに入っており、ロイヤルセントジョージズで開催された2011年には54位タイに入っている。米PGAツアーで、パッティングのストロークゲインドでトップに立っているほか、グリーン周りのストロークゲインドで10位にランクインしている。今週は卓越したショートゲームが大いに役立つだろう。

マシュー・フィッツパトリック

プレーオフで敗れた「スコットランドオープン」を経てこの大会に臨む26歳は、シーズンを通して良いプレーをしている。比較的低い弾道はリンクス向きであり、パターの名手でもある。依然として、メジャー初優勝を狙っており、全英での自己ベストは、ロイヤルポートラッシュで開催された前回大会での20位タイ。全英では2013年にローアマチュアとしてシルバーメダルを獲得しており、私は彼がそのコレクションにクラレットジャグを加えるのではないかとにらんでいる。

ジャスティン・トーマス

世界3位は、3月に「ザ・プレーヤーズ選手権」を制して以降、最高の状態にあるわけではないが、前週8位タイに入った「スコットランドオープン」では、ティショットのストロークゲインドとグリーン周りのストロークゲインドでトップに立った。4度目の全英となったロイヤルポートラッシュでの前回大会で11位タイに入っている。グリーンを狙うショットの精度が増せば、優勝争いに絡んで来るだろう。

ソフィー・ウォーカーの予想

世界1位返り咲きを狙うジョン・ラーム※写真は2021年「全米オープン」(Robert Beck/USGA)

ジョン・ラーム

トーリーパインズでの「全米オープン」でメジャー初制覇を果たしたこのスペイン人選手は、今後次々とメジャー制覇を果たすのではないかと予想する。ラームは前週の「スコットランドオープン」で7位に入ったものの、世界ランクを2位に下げており、今週はゴルフ界の頂点への返り咲きを狙っている。

直近出場したメジャー14大会でトップ10入りを8回記録しており、うち3回は2021年に果たしている。また、ラームは米PGAツアーでは、全体のストロークゲインドと平均スコア(69.8)でトップに立っている。「アイルランドオープン」で2勝とリンクスのスペシャリストでもあり、クラレットジャグ獲得へ向け、押しも押されもせぬ優勝候補として今大会を迎える。

コリン・モリカワ

前週の「スコットランドオープン」での71位タイという結果はショッキングなものだった。だが、コリンが今週も同様の成績に終わることは考え難い。ロイヤルセントジョージズはよりタフな試練であり、世界最高のアイアンプレーヤーである彼は、スタッツでは170~200ydのショットを30フィート(約9m)に寄せているその技量を発揮する必要がある。世界4位のコリンは、メジャー出場経験がさほどないものの、すでにトップ10入りを3回果たしており、これには「全米プロゴルフ選手権」優勝も含まれる。ロイヤルセントジョージズはティからグリーンにかけてタフなコースであり、彼は米PGAツアーにおいて、このスタッツでトップに立っている。

ティレル・ハットン

ロイヤルセントジョージズでイングランド人が勝つというストーリーは、出来過ぎだろうか。これまでティレルはリンクスで好成績を挙げており、「アルフレッド・ダンヒルリンクス」では2勝している。世界10位の彼はこれまで全英でトップ10入りを3回果たしており、多くの人々がメジャー制覇の可能性が一番高いのはこの大会だと考えている。前週の「スコットランドオープン」で18位。8度目の全英で、2019年の6位という同大会での自己ベストの更新を狙っている。