欧州男子ツアー

全米OPビブスも 欧州キャディらオークションで支援

2020/04/27 09:28
2018年の全米オープン最終日に着たビブスも出品

必要な支援は多方面から差し伸べられるのが世の常だが、欧州ツアーのキャディたちも例外ではない。ビリー・フォスターやイアン・“フィノ”・フィニスらは、ゴルフに関する記念品をオークションにかけて募金を行い、新型コロナウイルスに影響を受けた人々を支援している。

フォスターは既に英国でNHS(国民医療サービス)のために3万5000ポンド(約465万円)の寄付金を集めた。“フィノ”はキャディを支援するため、欧州ツアーキャディ協会を通じた募金額の目標を10万ポンドに設定している。

トミー・フリートウッドのキャディである“フィノ”は、大会が開催されなくなったことで仕事ができない仲間を支援しようと、元々は1万ポンドの寄付金を目標にゴルフ関連の貴重なアイテムをオークションに出し始めた。その後、キャディ仲間や選手たちが活動を支援したことで、目標額を一気に当初の10倍に設定し直した。

「苦難と戦っている人は大勢いて、これには今の僕が生業としている世界のキャディたちも含まれるんだ」と彼は述べた。

「キャディ業だけで食べていけるのはほんの一握りであり、多くのキャディは現在収入がなくなっているから、彼らのために何かしようと思ったんだ」

この活動は「ライダーカップ」で着用したビブスを出品することで始まった。10ポンドからスタートし、入札回数の上限は1000回に設定された。ビブスはわずか2時間半で落札され、活動は上々のスタートを切った。多くのキャディたちが記念品を提供するなか、次なる目標だった3万ポンドも瞬く間に達成した。

その後は選手たちの支援も加わり、フリートウッド、ダニー・ウィレット、そしてスティーブン・ギャラハーは自分と一緒にラウンドする権利を提供し、ロリー・マキロイフランチェスコ・モリナリはキャディバッグを出品した。

「多くの人々が助けてくれた」とフィノは述べ、「賞品の大多数はキャディたちから寄せられたものであり、これは僕らが一つの大きな家族であることを証明している」と続けた。

「集まったお金は大義のために使われる。僕らが職場に戻るまで、多くのキャディがこのお金を必要とすることになるんだ。これは多くの人に大きな違いをもたらすことになる。僕らがまたプレーを始めるまでの間、ちょっとした負担軽減になればと思う」

現在マシュー・フィッツパトリックのキャディであるフォスターは、これまでの40年にわたるキャリアの中でセベ・バレステロストーマス・ビヨーン、ゴードン・ブランドJr.、ダレン・クラークセルヒオ・ガルシアリー・ウェストウッドといった欧州ゴルフ界の偉大なる選手たちのバッグを担いできた。英国NHSのために募金を集めるため、個人所蔵の品々をオークションに出品した。

「ビリー・フォスターがNHSのためにやってきたことは、すばらしい」とフィノ。「彼は一人で3万5000ポンド以上集めたのだから驚きだよ。NHSを含め、配達業者、郵便配達人、スーパーマーケットで働く人々など、前線で頑張っている人たちはすばらしい仕事をしている。言ってみれば、彼らは国を背負っているんだ」

フィノの最新出品アイテムは、フリートウッドがシネコックヒルズでの「全米オープン」でコースレコードをたたき出した際に着用していたキャディ用ビブスであり、そのときのスコアカードと同日フリートウッドが着用したグローブもセットでつけられる。入札はフリートウッドのインスタグラムアカウントで、土曜の午後8時(英国時間)に開始される。