サミ・バリマキがオマーンでヨーロピアンツアー初制覇
サミ・バリマキ(フィンランド)がブランドン・ストーン(南アフリカ)とのプレーオフを打ち破り、2020年「オマーンオープン」でヨーロピアンツアー初優勝を遂げた。
アルモウジゴルフでの初日を終えた時点でバリマキはトップ100圏外だったが、3日目に圧巻の「64」をマークし、ストーンらとともに6人が並ぶトップの一角を占め残り18ホールを迎えた。
海沿いの強風が吹く難しいコンディションのなか、最終日は一日を通してストーンとバリマキがリードを守る展開となるも、フランスのアドリアン・サディアが通算12アンダーでホールアウトしてクラブハウスターゲットを定めた。
その後、ストーンが最終ホールで6mのパットを沈め、通算13アンダーまで伸ばして歓喜のときを迎えるも、ドラマはここで終わらず、バリマキも同様の距離のパットをねじ込み、この日を「70」でラウンドしたことで、勝負はプレーオフへともつれ込んだ。
18番で行われたプレーオフでは、ともに2連続でパー。延長3ホール目でストーンが2打目をスタンドに打ち込み、パーセーブに失敗。パーでホールアウトしたバリマキに軍配が上がる結果となった。
バリマキは2019年にプロゴルフツアー(※編注:欧州ツアー公式のサテライトツアー。同ツアーのランキング1位には、下部ツアーへの出場権が付与される)にて、シーズン最終盤に3連勝を飾るなど、年間4勝を挙げる見事な一年を送った。
その後、Qスクール(下部ツアー)を経てシード権を手にした21歳は、「ISPSハンダ ヴィックオープン」で初のトップ10入りを果たすと、欧州ツアー出場わずか6戦目にして王者となった。
「素敵ですね」とバリマキ。「ほとんど言葉が見当たりません。信じられないですね」
「9番でダボを打ったとき、10番ではバーディを奪わなければならないのは分かっていました。ただ、11番をパーにすることができず、あのボギーで『ああ、終わったな』と感じました。でも、そのあと我慢し続け、3つのバーディを奪いました。最終ホールは最高のバーディが奪えました」
ストーンはヨーロピアンツアーへの昇格を果たした2015年に、アルモウジで開催された「チャレンジツアー グランドファイナル」で6位に入っており、昨年はこの大会で土曜に「80」を叩きながらも、トップ35に食い込んだ。
彼は昨季の「レース・トゥ・ドバイ」を103位で終えており、初めてヨーロピアンツアーで勝利のないシーズンを送ったのだが、マスカットでの勝利こそ逃したものの、これまで取り組んできたことに満足感を見せた。
「もちろん、ちょっとガッカリしているけれど、この4日間の自分のプレーを誇りに思っている」とストーン。「また勝利に近づいていると感じている。自信と自分のスイングが戻り始めている。とても心地良くプレーできているし、残念ながらあと少し足りなかったけれど、僕らの仕事の一番良い点は、木曜にまた挑戦できるところだから」
「僕らはプロのスポーツマンで、感情豊かであり、それは僕が規定の18番でパットを決めて見せた通りさ。優勝に近づく上で、あのパットを決める必要があるのは分かっていた。僕はそれをやり切ることができた。僕たちは全てを懸けてプレーしているし、その為に努力しているんだ」
「アルモウジゴルフは、僕がこれまでプレーしたコースのトップ5に入っている。グレッグ・ノーマンはこのコースの設計で素晴らしい仕事をしたし、グラウンドスタッフたちは、コースをこのコンディションに仕上げる上で、驚くべき仕事をしてくれた。この大会は、毎年僕が一番初めに予定に書き入れる大会なんだ」
ストーンは2番でボギーをたたくも、パー5の3番でバーディを奪い、イーブンパーでハーフターンした。これに対し、バリマキはジェットコースターのようなフロントナインとなった。
彼は2番で2.4mのバーディパットを沈め、4番ではスコアを落とすも、パー5の7番でバーディ、8番では3.6mのバーディパットをねじ込み、単独首位に浮上した。
9番ではバンカーで悲惨なライに見舞われ、第3打がグリーンをオーバーしてこのホールをダブルボギーとするも、10番では3mのバーディパットを決めて盛り返した。
この時点でバリマキは、10番で2.4mのバーディパットを沈めたストーンと首位で並ぶも、ストーンがパー5の12番でグリーン手前から2パットのバーディを奪い、単独首位に抜け出した。
その後、ストーンが13番をボギーとしたのに対し、バリマキは第3打がカップを直撃して損傷した12番のバーディを挟む形で、11番と14番をボギーとした。
一方、サディアは2連続ボギーのスタートを切るも、4番、6番、7番、8番、15番、そして16番でバーディを奪って単独首位へ抜け出すと、続く17番でボギーを叩いてストーンと並ぶ展開になった。
すると、バリマキもパー5の16番で寄せワンのバーディを奪って通算12アンダーとし、首位が三つ巴となった後に勝負はクライマックスを迎えた。
通算11アンダーの4位タイにはグイド・ミグリオッティ(イタリア)とミッコ・コルホネン(フィンランド)が入り、その2打後方にはアレハンドロ・カニサレス(スペイン)、ジョージ・クッツェー(南アフリカ)、18歳のラスムス・ホイゴー(デンマーク)、そしてジョーダン・スミス(イングランド)が入った。