2020年 サウジインターナショナル

マクドウェルが砂漠で復活優勝

2020/02/03 18:15
グレーム・マクドウェルは復活Vで世界ランクもトップ50に返り咲いた(※撮影は2020年「ソニーオープンinハワイ」)

ガッツ溢れる忍耐強いプレーを展開したグレーム・マクドウェルが2020年「サウジインターナショナル」を制覇し、2037日ぶりとなるヨーロピアンツアー優勝を果たした。

風の強くなったロイヤルグリーンズCCでの最終日に経験をフルに活かした40歳は、この日「70」をマークし、通算12アンダーとしてディフェンディングチャンピオンのダスティン・ジョンソンに2打差をつけて勝利した。

2010年にペブルビーチGLで「全米オープン」を制覇した北アイルランド出身のマクドウェルは風のなかのプレーの達人であり、ライバルたちがスコアを落とすなか、その腕前をいかんなく発揮し、後半を「34」でプレーした。

最終ホールでイーグルを奪ったジョンソンは「67」をマークし、その1打後方の3位タイには同じく米国のフィル・ミケルソン、マレーシアのギャビン・グリーン、そしてベルギーのトーマス・ピータースが入った。

マクドウェルは、2014年「フランスオープン」でのタイトル防衛以来となった今回のヨーロピアンツアー11勝目により、世界ゴルフランキングでトップ50に返り咲くとともに、2000年代、2010年代、そして2020年代と、3つの異なる10年間でヨーロピアンツアーを制覇した選手となった。

また、この勝利はマクドウェルにとってプロ通算16勝目にあたり、13の異なる国々で優勝を飾ったベテランは、40代になって初めての優勝を飾ったことで、今後も競技のトップレベルでプレーし続けることに意欲を見せた。

「これは特別な勝利だね」とマクドウェル。「この1年半、ハードに練習を積んできた。もう一回この場に帰ってきて、今の選手たちと対等にプレーしたいと思っていたんだ」。

「ゴルフは今、最高の環境にある。世界には最高の選手たちがたくさんいて、世界のトッププレーヤーでいることは胸躍ることだから、またこの場所に帰ってきたいと思っていた。自分が思っていたより少し早くその機会が訪れことにとても興奮しているけれど、これが大きな一年の礎になればと思う」。

「僕が『全米オープン』で勝ってから10年になる。恐らく、自分が人生で最高のゴルフをプレーしていた時期から10年が経ったんだ。正しい方向に向かっていると感じているよ」。

「確固たるチームを持っているし、生活も落ち着いている。素晴らしい妻、素晴らしい家族に恵まれたし、今の自分の人生にはとても満足している。人生のさざ波はすっかり落ち着き、良いゴルフをするのにちょうど良い頃合いになったと感じている」。

「(コーチの)ケビン(カーク)は僕に“君のキャリアでベストのゴルフがこれからやってこない理由はどこにもないんだ”と言ったのだけど、その考えが気に入ったんだ。そういう考え方は良いと思ったし、その焦点が気に入ったんだ」。

ティショットを左へ曲げた1番でボギーを叩いたマクドウェルは、3番と5番で何とかパーをセーブすると、パー3の8番で5.4mのバーディパットを沈め、この日のスコアをイーブンパーに戻した。

しかし、9番でバンカーに捕まったマクドウェルはここでボギーを叩いて通算11アンダーに後退し、同組のビクトル・ドビュッソンと首位タイで並んでハーフターンした。

2014年の「ライダーカップ」でコンビを組み、フォーサム2戦で2ポイントを挙げる絶妙のコンビネーションを見せた2人はバックナインで全く違ったゴルフを展開し、ドビュッソンが11番でダブルボギーを叩いたのに対し、マクドウェルは単独首位の座を手放すことはなかった。

前半この2人に最も近づいたピータースは、3番、4番、そして7番でバーディを奪い、9番をボギーとして「33」でハーフターンした。

ヨーロピアンツアー4勝のピータースは、10番と11番で連続バーディを奪うと、16番ではボギーを叩きながら17番でバウンスバックのバーディを奪うと、最終ホールでは1.2mのイーグルパットを決めた。

マクドウェルはグリーン手前に外した13番でボギーを叩き、リードを1打差とするも、続く14番で6mのバーディパットねじ込むと、15番ではショットでピン側1.2mにつけて後続との差を広げ、その後は危なげなくパーとしてホールアウトした。

ダスティン・ジョンソンは連覇に2打及ばなかった※撮影は2019年「ザ・ノーザントラスト」(Jared C. Tilton/Getty Images)

一方、ジョンソンは3番をボギーとするも、続く4番で見事なチップインイーグルを奪うと、9番では1.2mのバーディパットを沈めて通算9アンダーとした。

その後、ジョンソンは13番でボギーを叩いて後退するも、最終ホールでイーグルを奪ってリーダーボードを駆け上がった。

2番から3連続バーディを奪ったミケルソンはその後16番でボギーを叩くも、最終ホールをバーディで締め括った。一方、グリーンは1オンに成功した17番でイーグルを奪うと、最終ホールでもバーディを奪い、この日のスコアをイーブンパーに戻した。

通算7アンダーの6位タイには、最終ホールでイーグルを奪ったイングランドのロス・フィッシャー、フランスのドビュッソン、スペイン人メジャー王者のセルヒオ・ガルシア、メキシコのアブラム・アンセル、そしてベルギーのトーマス・デトリーが入った。

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