「一か八か」の挽回ショットで手繰り寄せた 勝みなみ念願のタイトル
「最終ホールのティショットとパットはすごく緊張した。(国内女子ツアー最年少優勝を遂げたKKT杯)バンテリン(レディスオープン)より緊張した」-。「日本ジュニアゴルフ選手権」最終日、前の17番でついに6打差を逆転し18番(パー5)を迎えた勝みなみは「ずっと取りたかったタイトル」を目の前にしたプレッシャーをそう振り返った。畑岡奈紗のバーディパットが外れると優勝を確信、傍目には緊張しているようには見えない中、1メートルのバーディパットを沈め、笑顔でガッツポーズを作った。
勝が、勝利につながったホールとして挙げた一つが14番(パー5)。右ラフからの2打目を引っかけて左の林に入れ、正面には木が。「一か八か。木に当たってもいい」と、残り155ヤードを7番アイアンで振り抜くと、狙い通り、1メートル四方の枝と枝の間をすり抜け、グリーンに乗った。打った直後は「ちょっと違ったかな」と思った8メートルのバーディパットも決まり、畑岡と1打差に迫った。
最終日も、畑岡のスタートホールでのバーディから始まり「今日は畑岡さんの日かなと思った」。8、9番でバーディを決めきれず、気持ちが落ちそうになったとも言うが、それでも「自分に風が吹いてくれると信じて回った」と振り返った。
「アマチュア、ジュニアとして最高峰の試合」と位置づける日本ジュニア選手権は、初出場の中学1年時が3位、一昨年が4位、昨年が5位と順位を下げてきた。「今年は6位になるんじゃないかと思っていた」と笑いを誘ったが、なかなか手が届かなかった優勝を成し遂げ「泣きそうです。泣きそう本当に…。プロでの優勝もうれしいけれど、日本ジュニアで優勝したかったので本当にうれしい」と少し声を震わせた。
一方、すぐそこまでたぐり寄せていた勝利を逃した畑岡は「いいスタートを切れたが、そのあと波に乗れず、ずっと緊張してドライバーが右に左に曲がった。チャンスを作れないまま終わった」と振り返り、「12番あたりから取り直そうと攻めすぎて、右奥の難しいアプローチを残したところからずるずるいってしまった。(昨日の)夕食を取っているときから緊張していました」と話してクラブハウスを後にした。(埼玉県川越市/片川望)