早大生アマ中野麟太朗「かなり大きい」御殿場開催で狙うマスターズ&全英切符
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前(2日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7217yd(パー70)
アジア太平洋地域のアマチュアナンバーワンを決める大会が日本で開催されるのは、松山英樹が制した2010年大会(埼玉・霞ヶ関カンツリー倶楽部 西コース)以来14年ぶりとなる。世界アマチュアランキングで日本勢最上位(109位)、2年連続出場の中野麟太朗(早大)は、母国開催のアドバンテージをフルに生かしたいと意気込む。
4月に同じ太平洋クラブ御殿場コースで開催された日欧共催競技「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」にも出場。今週につながる経験として「かなり(大きい)」とうなずく。「試合になったらどういうところに行ってしまうのかとか、試合で回らないと分からない御殿場を感じることができた」。グリーンスピード、ラフの長さなどプロツアーだった4月よりもセッティングが戦いやすくなっていることも間違いない。
1月のPGAツアー「ソニーオープン」にスポット参戦した時から、もっと言えば御殿場開催が決まった時から、この大会の優勝は2024年の大きな目標のひとつだった。「アマチュアでマスターズに出られるチャンスがあるのは、この大会しかない。(プロ転向を前に)アマチュアとして活動する時間も少なくなってきて、その中でどんな経験もはるかに上回るようなもの(メジャー出場権)を得たいと思っています」
優勝者のみに与えられる2025年のメジャー「マスターズ」と「全英オープン」切符。優勝か、それ以外かというシンプルな戦いを前に、昨年「日本アマ」優勝時の記憶をたどって心を整える。「(上位で戦う)チャンスが来て、3日目、4日目につれて、どんどん勝ちたくなっていった。こんなチャンスないですし、もちろん優勝したいっていうのはあるんですけど、(初日から)それを自分に課しすぎるのも良くない」と冷静に言った。
3月「東建ホームメイトカップ」では予選を首位通過して4位に入ったが、その後のツアーでは上位に絡めていない。8月「全米アマ」でもマッチプレーに進むことはできなかった。それでも、前週「バンテリン東海クラシック」最終日にマークした「64」が少しメンタルを上向かせてくれる。1Wショットのフェアウェイキープに大苦戦して「77」を打った翌日のカムバックは「アジアパシフィックにつながるゴルフをしよう、と。その気持ちが結果につながった」。松山、金谷拓実、中島啓太に続く日本勢4人目(5度目)の頂点を目指す。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)