歴史が動いたその場所で 2019年ベストショット3選【和田慎太郎】
2019/12/28 15:00
2019年も、緑の芝の上でさまざまなドラマが生まれた。光と影、風を感じながら、フォトグラファーたちは二度と繰り返されることのない瞬間を切り取ってきた。GDOとともに国内外を渡り歩いたプロフェッショナルが選んだ今年の3枚。第4回は和田慎太郎カメラマン編。
〈AIG全英女子オープン 最終日 渋野日向子〉
カメラマン人生で、ここまで興奮したことはなかったかもしれない。一度は見てみたかった、日本人がメジャーを制覇する瞬間。その場所でシャッターを切れた。「今年の一枚」と言われれば、これしかない。歴史の証人になれたのだから。
〈樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 最終日 鈴木愛〉
彼女は黙っていなかった。日本中が“シブコフィーバー”に沸いたシーズン中、故障から戦線離脱を余儀なくされた。欠場の期間中はゴルフと距離を置き、普通の女性としての時間を過ごした。その休暇で何を感じ、何を得たのか。それは本人にしか分からない。だがツアーに復帰した終盤戦、この試合から3連勝という偉業を達成。賞金女王にも返り咲いた。
〈エビアン選手権 3日目 安田祐香〉
フランスでのメジャーで輝きを見せた次世代の選手。アマチュアとして出場した彼女は、多くのプロが予選落ちしていく厳しい試合で、確実に順位を上げて視線を集めた。ここぞという場面でのショットの正確さは類まれなものがある。この大会で見事ローアマになった。その後プロテストに合格し、いよいよ新しいステージに挑戦する。今度はプロゴルファーとしての彼女を同じ場所から撮ったとき、この写真と見比べてみたいものだ。