キム・ヒョンソンが9打差を逆転! 松山は2位タイで終戦
◇国内男子◇日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 最終日◇総武カントリークラブ 総武コース(千葉)◇7,327ヤード(パー71)
首位に9打差、1オーバーの17位タイからスタートしたキム・ヒョンソン(韓国)が7バーディ、1ボギーの「65」をマーク。通算5アンダーでメジャー初勝利を手にした。単独首位からスタートした松山英樹の序盤の乱れに乗じて、フロントナインで一気に首位へと駆け上がっての大逆転劇となった。
2位に4打差のリードをつけてスタートした松山英樹は、最初の7ホールで5ボギーを叩く乱調の滑り出し。猛烈な追い上げを見せるヒョンソンに前半で捕らえられ、後続へと飲みこまれた。そして、勝負のサンデーバックナイン。14番、15番の連続バーディで首位のヒョンソンに並び、迎えた最終18番。2打目をグリーン手前バンカーに打ち込み、寄せきれずに痛恨のボギー。藤本佳則、藤田寛之と並び、通算4アンダーの2位タイに終わった。
通算2アンダーの単独5位に小平智。通算1アンダーの6位タイに宮里優作と、前年大会優勝者の谷口徹が続いた。
<キム・ヒョンソン「優勝争いは関係ないと思っていた」>
最終ラウンドのビッグスコア「65」は、無欲で出した。3日目を終えて1オーバーの17位タイ。前週は韓国で行われたワンアジアツアーで優勝争いを演じ2位に終わっていたものの、ショットは依然として不調。「今日の目標なんてなかったです。優勝は関係ないと思っていたので、今日は自分の練習のスタイルでプレーしていた」と言う。
しかし、母国の偉大な先輩チェ・キョンジュやY.E.ヤンに倣って握る、太グリップのパターが大きな仕事をした。2番からの4連続バーディは、7メートルを2度沈めた。7番では10メートル、8番では再び7メートルを決めて首位に浮上。「それでも(優勝争いとは)関係ないと思っていた」。リーダーボードを見て、全身に緊張が走ったのは最終ホール。首位タイでホールアウトし、クラブハウスリーダーとなった約1時間後、藤本、藤田、松山と立て続けに18番グリーンで涙をのみ、メジャータイトルがその手に舞い込んだ。
「大嫌い」というプレーオフに突入することなく勝った。松山とは昨年の「日本オープン」の最終日にラウンドをともにし、その潜在能力を目の当たりに。「彼はすごい。それに優しい。ゴルフもうまい。彼は飛ぶからプレーオフでは、(松山の方が)有利だと思っていた」と胸をなでおろす。昨年「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」で悲願の日本初勝利。そして今大会で一気に5年シードも獲得した。「ハンパじゃないです!」。最後はお決まりのフレーズで喜んだ。