決勝戦は佐藤信人VS近藤智弘。勝負強い2人が勝ちあがってきた
国内男子ツアー「2002日本プロゴルフマッチプレー選手権」の3日目は、準々決勝4試合に続き、午後からは準決勝2試合が行われた。午前中の準々決勝はそれぞれ接戦が繰り広げられた。
まず第1試合に登場した宮瀬博文と細川和彦の戦いは、スタートホールで宮瀬がバーディを奪いリードを奪うと、細川が離されないように食い下がる展開となった。12番の長いパー4で細川が、この日4度目のスクエアに戻すと16番までオールスクエアが続いた。17番パー3ではティショットをバンカーに入れた宮瀬がチップインバーディを奪うと、細川も5メートルのバーディパットを入れ返す。そして、最終18番でパーセーブした宮瀬に対して細川はパーセーブできず、1アップで宮瀬が準決勝1番乗りを果たした。
続く第2試合は、3番のパー3でバーディを奪ったデビット・スメイルが先手を取った。しかし、好調の佐藤信人は、すぐにオールスクエアに戻すと、5番パー5でバーディを奪って逆にリードを奪った。その後6番から12番ホールまで均衡状態が続いたが、13番で佐藤が2アップにリードを広げた。これで佐藤有利かと思われたが、14、15番で連続バーディを奪ったスメイルが再びオールスクエアに戻した。このままエキストラホールに突入するかと思われた最終18番、佐藤がバーディでスメイルを振り切った。
前日、昨年優勝のD.ウィルソンを破った近藤智弘は、ベテランの室田を相手にのびのびとプレーをした。前半は近藤がリード、中盤は室田が1アップという状況で終盤までもつれることになった。勝負どころになったのは14番パー5だった。バーディを奪った室田に対し、近藤はイーグル、ここで再び近藤の1アップ。そして16番でもバーディを奪った近藤が1ホール残して2アップで勝利。
最終4試合目は、これまでマッチプレーで勝利の無かった片山晋呉が、平石武則を2アンド1、17番ホールドーミーホールで引き分けて準決勝にコマを進めた。この試合は8番ホールまで一歩も譲らぬ展開だったが、終盤に入るとジワジワと片山が攻めていった印象が深い。
そして、午後に行われた準決勝
第1試合は、5番パーでバーディを奪った佐藤信人が、3ホール立て続けに奪い3アップと大きくリードを奪った。しかし、そのまますんなり終わらないのがマッチプレーならではの面白さだ。8番、10番(イーグル)、13番で宮瀬博文が取り戻し、オールスクエアになった。その後は息を呑むような展開で両者一歩も譲らず18番ホールでも決着はつかなかった。そして、エキストラホールの1ホール目に、宮瀬が右の林に打ち込み、パーパットを外したところでギブアップ。佐藤が宮瀬を振り切った。
マッチプレー初出場の近藤智弘に対し、片山晋呉がスタートホールバーディで先手を打った。近藤も5番、9番でオールスクエアに戻すが、試合は終始片山のペースで進行した。しかし、最後まであきらめなかった近藤は、15番で追いつくと、3回戦で勝負を決めるバーディを奪った16番で再びバーディ。初めてリードを奪った。17番パー3では、片山が気合いのバーディで取り戻したが、最終18番で近藤が林の中からスーパーショットを炸裂させ、バーディで片山を下した。昨年のウィルソンに続き、初出場初優勝を狙って決勝戦進出を決めた。
※【ドーミーホール】:そのホールで勝つか引き分ければ、マッチの勝利が決定するホールを指す。
※【アップドーミー】:そのホールで勝てば、マッチの勝利が決定するホールを指す。
※【スコアの見方】:例)「2アンド1」:「2」はアップ数を指し、「1」は残りホール数を指す。
マッチプレーでは、勝ちが決定したホールで試合は終了となる。