5打差逆転!H.リーが初勝利 宮本勝昌が1打差2位
◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 最終日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7201ヤード(パー72)
3日目を終えて首位からは5打差、8アンダーの10位タイから出たハン・リー(米国)が「63」を叩き出し、通算17アンダーとして逆転勝利を飾った。
開幕から3日間は秋晴れに包まれながらも、一転して降雨に見舞われた最終ラウンド。第1組のスタートが30分遅れ、午前9時半過ぎからはコースコンディション不良により再び約30分間の中断を余儀なくされた。
当初の予定より約1時間遅れでティオフを迎えた最終組よりも、3つ前の組でスタートしたリーは1番からの2連続を含む9バーディを奪取。ノーボギーでまとめ、雨雲が抜けた空の下、日本ツアー参戦5年目で待望の初勝利をマークした。
宮本勝昌が「68」と4ストローク伸ばしたが、プレーオフ突入に1打及ばず通算16アンダーの単独2位。最終日を単独首位で迎えたキム・キョンテ(韓国)は横尾要と並び15アンダーの3位タイに終わっている。石川遼は5バーディ、3ボギーの「70」で通算11アンダー。兼本貴司、キラデク・アフィバーンラト(タイ)と並び6位タイだった。
韓国系アメリカ人のハン・リーが、日本ツアー挑戦5年目にして初優勝を果たした。「自分はこのコースが好きで、高速グリーンも好きなのでベストスコアを出したいと思ってスタートした」と話すハンは、9つのバーディを量産した。前半8番ではバンカーからチップイン。14番では12mを決めると、15番パー5は275ヤードの2打目を直ドラで2オンに成功。最終18番パー5も残り190ヤードの2打目を6番アイアンでピンの右1.5mにぴたりとつけるなどショット、パットともに冴えまくった。
ところが「今日はスコアボードを見ないようにしていました。(今年の)つるやオープンで負けた悔しい気持ちがあるので(最終日に2位に3打差をつけて単独首位でスタートも78と崩れて13位フィニッシュ)。でも18番は自分のボールとカップの延長線上にボードがあったので、見たくなくても見えてしまった(笑)」と、自分の順位(単独首位)を確認した直後のイーグルパットは外してしまうが、バーディを奪い1打差で優勝をつかみ取った。
2008年のツアーデビューから「すぐに優勝できると思っていたが難しい。もう少しのところで逃してきたので嬉しい」と満面の笑みを浮かべる。その笑顔はベテラン川岸良兼に似ているということで、ファンから間違えてサインを求められたこともあるという。体格も川岸と同じかそれ以上に大きいハン。35歳での初優勝となったが、今回の優勝で自信を持ってプレーすることができれば、今後も勝ち星を重ねるかもしれない。