風雨の日本オープン、3日目を終え平塚が一歩リード!
◇国内男子◇日本オープンゴルフ選手権 3日目◇那覇ゴルフ倶楽部(沖縄)◇7,176ヤード(パー71)◇ギャラリー数 4,095人
沖縄で初開催の「日本オープンゴルフ選手権」だが、3日目に入ってもこの島特有の強い風は吹き続け、ときおり雨も混じる厳しいコンディション。徐々に選手たちも慣れてきたとはいえ、アンダーパーで回るのは困難を極めている。
そんな中で2日目に立った首位の座をキープしたのは平塚哲二。最終18番でスコアを落としながらも通算3オーバーで2位に2打差で最終日へと駒を進める。2位に続くのは、昨年のアジアンツアーの賞金王、ジュビック・パグンサンと小田孔明の2人。地元沖縄の宮里優作が、ツアー初優勝を目指し通算6オーバーの単独4位。通算8オーバーの5位に池田勇太が続いている。
その他、久保谷健一は通算9オーバーの6位。藤田寛之は通算10オーバーの7位タイ。石川遼は順位を上げて、通算13オーバーの20位タイにつけている。
<平塚哲二、初の日本OPタイトルに王手>
ツアー6勝の名手は単独首位の座を譲らなかった。多くの選手が「3日間で一番の風」と口をそろえるコンディション。だが平塚は最終組で懸命に耐えた。最終18番をボギーでフィニッシュしたものの、後続には2打差。「ナイスプレーじゃないですか。風はそんなに気にならなかった。みんな同じ状況。良いショットをすれば、チャンスにはつく」。息苦しい54ホールを戦い終えても、トーナメントリーダーは冷静だった。
昨晩は悪い夢にうなされた。場所はこの那覇GC。出だしからボギー、ボギー、ボギーと続く最悪な展開に、思わず「大変や!」と午前4時に飛び起きた。8時間後。実際にスタートすると、ホントに1番でボギーを叩いた。「完全に(頭に)よぎりましたね。正夢なんかと思った」。
しかし続く2番(パー5)ですかさずバーディを奪取。その後も我慢を続け、13番でスーパーショットを見せる。ラフから残り195ヤードの第2打。異色の芝に対応するべく、ウェッジをキャディバッグに増やしたため、距離の合う5番ウッドは14本の中に無い。3番アイアンでグリーン手前に刻む手もあった。しかし選んだのは3番ウッド。強い向かい風の中「軽く、ポーンと」出したボールはピンそば2メートルにピタリ。「完璧すぎ。ビックリ」。同ホールでこの日バーディを奪ったのは、平塚ただひとりだった。
強風が吹きつける茨城・大洗ゴルフ倶楽部での2勝など、難コースでこそ強さを誇示してきた。それゆえにこの日本オープンを「一年間の流れの中で、自分の力を一番発揮できるトーナメントだとも思う。いつか勝ちたいのが、ジャパンオープン」と位置づける。世界各国のトーナメントで揉まれてきた鉄人の、日本一到達。カウントダウンが始まった。