武藤俊憲がロケットスタート!薗田、篠崎が1打差
◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪府)◇6929ヤード(パー71)
今季初勝利を狙う武藤俊憲が7バーディ、ノーボギーの「64」をマークして7アンダーの単独首位で発進した。1打差の2位タイに薗田峻輔、篠崎紀夫が続いた。
首位からは2打差、5アンダーの4位タイには谷昭範、イ・キョンフン(韓国)、デビッド・オー(米国)、矢野東の4選手。前週の「全米プロゴルフ選手権」に出場したキム・キョンテ(韓国)が4アンダーの8位につけている。
池田勇太は平塚哲二、星野英正、深堀圭一郎らと同じく1アンダーの26位タイ。藤田寛之は1オーバーの75位タイと出遅れた。
<首位発進の武藤、海外の苦い経験を糧に>
奪った7つのバーディのうち「ほとんどが1ピン以内」と、アイアンショットが冴え渡った。「ほとんどパーオンしているし、ショットはいいですね」と、納得の表情を浮かべる武藤。この日、とりわけ好調だったアイアンには、武藤の強い想いがこめられていた。
2週間前に初めて出場した世界ゴルフ選手権「WGCブリヂストンインビテーショナル」。7,400ヤード、パー70に設定されたモンスターコースに、武藤は徹底的に打ちのめされたという。「ボールコントロール、高さ、曲げ幅、スピンコントロール。全てが要求されるのが向こう(海外)の試合。もっと、全ての精度を上げていかないといけない」。
帰国から1週間のオープンウィークを経て迎えた今週、武藤はクラブセッティングの大部分を入れ替えた。アイアンとウエッジ、パターのグリップ。さらにアイアンのシャフトを全て0.5インチずつ伸ばし、飛距離が半番手ほど伸びたという。「やりたいことを手助けしてくれるクラブに替えた。要求されるものに、どう答えるか。こっちのアイアンの方が適している」。海外の難コースへの対応を見据えて、大幅に手を加えたクラブセッティング。その効果は早くも、日本のコースで単独首位発進という結果に現われた。
難コースから学び得たことについて、武藤は続ける。「日本は(攻略の)選択肢がすごく多い。海外は、綱渡りをさせられているみたいに細くて、迷いながらボギーを打つことがたくさんあった」。ボギーは、迷いから生まれる。この日は「まったく考えずにできた」と1つ1つのプレーの判断を早め、即決を心がけた。それだけに、たった1度だけラインの読みに迷い、5番の2mのバーディパットを外したことに「だからこそ、すごく悔しい」。海外の苦い経験を糧に、武藤は今、大きな変化を遂げようとしている。