2012年 全米プロゴルフ選手権

遼、激しい出入りを制して好発進「ホッとしている」

2012/08/10 09:03
首位と3打差の好発進!石川遼はさらなるジャンプアップを狙う。

今季の海外メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」が9日(木)、サウスカロライナ州キアワアイランドリゾートで開幕。石川遼は7バーディ、4ボギーの「69」をマークし3アンダー、首位に3打差の14位タイと好スタートを切った。

雷鳴がとどろいた練習日から一転し、穏やかな風に包まれた初日午前、石川はティオフから最高の滑り出しを見せた。難易度の高いインから出ると、出だしの10番で3メートル前後のチャンスを生かし3連続バーディ発進。早朝のスタートでいきなりリーダーズボードに名前を掲げた。

しかしその後、中盤は出入りの激しい展開。14番、18番とティショットのミスからボギーを2つ叩いて折り返すし。6メートルを沈めた後半1番から2連続バーディを取り返すものの、続く3番ではティショットでフェアウェイをとらえながらも、第2打がグリーンの手前にこぼれてボギー。さらに4番は3番ウッドの第1打を右サイドの深いバンカーに打ち込み、今度は2連続ボギーと後退した。

ところが、この日最高のショットが5番(パー3)で飛び出す。190ヤード先のグリーン左端のピンに対し、5番アイアンで大西洋に向かって打ち出したドローボールは美しい放物線を描き、カップから左手前3メートルにピタリとついた。

「逃げるところが無いピンポジション。右に打っては傾斜でそのまま右に流れてしまう。狙いどころは狭かった。去年までなら“打たされていた”けれど、『こういう風に打てば良い』と思えた。(アイアンショットの精度が)これからの武器になっていかなきゃいけない」。スコア以上に手応えのあるバーディを奪い返すと、さらに7番(パー5)で、この日7つ目のバーディを確実に拾って見せた。

未知のコースのメジャーで、理想のスコアも手探りだった。午前中は微風状態の時間が長く、誰がビッグスコアを出してもおかしくない。だからこそ「バーディ、バーディ、バーディで出るようなゴルフは疲れる」と“余裕”も無かった。帽子を取り、汗を拭き、ストレッチをするといった何気ない行動で、精神面でのオンとオフを切り替え。酷暑の中のタフなラウンドを終え「このスコアで初日を終えられてホッとしている」と、息をついた。

それでも目下、メジャーでは5試合連続で予選落ちを喫している石川。どの試合も突然崩れるケースが目立っており、油断の様子は無い。「上位で踏みとどまって、優勝争いに加われるようなマネジメントをしなくては。後悔の無いような判断をしっかりしていきたい」と、自らに言い聞かせるように話し、再び練習場へと足を進めた。(米サウスカロライナ州チャールストン/桂川洋一)

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